中パンダイアリー

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【自作曲解説】3和音のマイナーコードを使うだけで能天気な曲に深みが出る

どうも、中パンダです。

 

今回は、どこにでもある3和音でも、メジャーコードとマイナーコードの性質が十分引き立つような使い分けについて記事を書いていきたいと思います!

今回解説に使う曲は、少し前になりますが1年半ほど前に深夜の2時間DTMで作ったこの曲です。

この時のお題は「場面設定:霜柱を踏んづけて」です。

 

2021/7/18追記:Audiostock配信用のリメイク版です。もし気に入っていただけましたら、こちらもぜひ聴いてもらえればと思います!

 

 

コンセプト

コンセプトは、「子供たちが元気に跳ねている午前中」です。

跳ねた感じを表現するために、全体的に表拍を強調するリズムにして、軽くスウィングさせています。

 

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ピアノフレーズ

子供たちが元気に跳ねるような風景を思い浮かべてもらえれば幸いです(笑)

 

コード進行

イントロパート(最初~17秒付近)

ピアノとキラキラ系シンセのパートです。

このパートではベースはありませんが、Fのコードが鳴っているとみなして他の楽器パートを作っています。

ピアノパートは、左手がFで右手のコードがどんどん変わっていくような、いわゆるオンコードを意識したフレーズにしました。

 

メインパート(17秒以降)

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今回使ったコード進行はF→B♭→C→Fで、一部を除きこのコード進行をループさせて使っています。

音楽理論的に説明すれば、T→SD→D→Tと進行するごく基本的なカデンツです。

(T,SD,Dについてはこちらの記事の"音楽理論の前置き"で説明しています)

 

コード進行の例外

3回目のループのとき、最後のFをDmに変えて F→B♭→C→Dmにしています。

2回目のループまではずっとF→B♭→C→Fできたので、聞き手は「次のループもおそらくF→B♭→C→Fと続くだろう」と無意識に推測します。

しかし、Dmにすることでコード進行にバラエティが生まれ、曲全体が少し深みを持った感じに聞こえます。

また、Dmというマイナーのコードが出現するまでは、全てメジャーコードを使っています。

ここまでずっとメジャーコードが続いてきたのですから、聞き手の耳は"メジャーコード耳"として馴染んでいきます。馴染んできたタイミングでマイナーコードを挿入することで、大して特徴のないただのマイナーコード」がスパイスのような役割を果たし、聞き手の意表を突くことができます。

4回目のループでは、何事もなかったかのようにF→B♭→C→Fで締めくくっています。

 

マイナーコードを混ぜた理由

メジャーコードは明るくて陽気な感じ、マイナーコードは暗く陰鬱なイメージとして説明されます。

今回の曲がもし全てメジャーコードだと、

 

とにかく明るく!元気に!

ほっぷ!すてっぷ!じゃんぴんぐ!(*´▽`*)

 

な雰囲気になります。

それはそれでアリですが、自分はそれだと

 

ストレート過ぎてつまらない

 

と感じました。

人生楽しいこともあれば悲しいこともあります。

楽しいことだけの人生なんてありえないのです。

というわけで、暗い雰囲気のあるマイナーコードを曲の雰囲気が壊れない程度に1か所だけ挿入しました。

 

まとめ

今回は、メジャーコードだらけの曲にマイナーコードを挿入して、曲に味を出すという手法を紹介しました。

音楽理論を勉強していると、どうしても難しいコードやコード進行を使ってしまいがちですが(自分も含めて)、シンプルな3和音だけでも、使い方次第では十分曲に変化をつけることができます。

ポピュラー音楽だとあまりメジャーコード・マイナーコードの使い分けは意識されなくなってきていますが、この点を意識すると、もっと曲に深みを持たせられるのではないでしょうか?

 

というわけで、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ