中パンダイアリー

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Cubase Pro 10でBPM172800を再現してみた

どうも、中パンダです。

 

初めに断っておくと、今回の記事はネタ要素多めになります…

軽い感じで読んでいただけると嬉しいです

今回は、Cubase Pro 10で再現できるBPMの限界と、その時何が起こっているかについて記事を書いていきたいと思います。

 

まず、Cubase Pro 10になって、テンポ変更機能で変えられるBPMの上限が引き上げられました。

自分が以前使っていたPro 8ではBPM300が限界でしたが、Pro 10になってBPM360まで設定できるようになりました。

 

しかし、ここで自分はこう思いました。

 

 

もっとBPMを速くできないものか・・・

 

 

 

できます!

 

見方を変えることで、さらにBPMを上げることができます!

 

上限突破の方法

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そもそもBPMとは、Beats Per Minuteの略で、一般的には「1分間に何回4分音符を鳴らせるか」という意味で用いられています。("4分音符"という所がミソ)

ここで、4分音符が1拍ではなく、8分音符が1拍であるととらえてみましょう。

 

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すると、拍の密度が2倍になるので、DAW側で設定したテンポの2倍のBPMになったと見なすことができます。

 例:Cubaseのテンポトラック上で100→BPM200相当

ただ音符の数を倍にしただけなので、譜面的には見ればBPMは変わりませんが、聴覚的には今鳴っているのが4分音符か8分音符かは"何となく"しか判別できません。

そのことを利用して、譜面上で8分音符のものを4分音符と錯覚させ、聴覚上BPMが2倍になったように聞こえさせます。

 

"聴いた感じ"が大事!

 

同じように、16分音符を1拍ととらえると、BPMは4倍になります。

このようにして、Cubaseのテンポトラックで設定できるBPM値の上限を超えてBPMを上げていきます。

 

真の上限

では、このやり方でBPMはどこまで上げられるのでしょうか?


DTMにおいて、音符や楽器・テンポなどの各種データはMIDIデータとして記録されます。このとき、入力される音符(ノート)の位置や長さをコントロールする最小単位はtickと呼ばれ、4分音符一つ分の長さの480分の1に相当する長さを1tickと呼びます。(480tickで4分音符1つ分の長さ)

つまり、1tickごとにノートを打ち込み、1tickの長さが1拍であるとみなせば、理論上最高BPMを出せるはずです。

この時、4分音符1つ分を1拍としたときの480倍のBPMが出せるので、Cubase側でBPM1に設定した時点で計算上既にBPM480になっています。

先ほども書きましたが、CubaseBPM上限値は360なので

  360×480=172800

と、なんとBPM172800まで再現することができます!
(ちなみに、Pro 8では同じ方法でBPM144000までしか再現できませんでした。)

 

というわけで…

 

BPM172800を再現してみました!!!

 

 

BPM180から徐々に加速していき、最終的にBPM172800相当の速度に達します。

 

・・・最後の方はもはや鳴っているのがキックであったことを忘れさせるような、甲高い音になります(笑)

 

キックの音色の変化

さて、動画ではキックのみ打ち込んでいますが、BPMが上がるにつれてだんだん楽器のように一定の音程で音が鳴るようになります。

通常、キックのようなドラム系の楽器には、ピアノやギターなどとは違い基本的に音程を持ちません。(ティンパニのような音程を持つ楽器も一部ありますが…)

 

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また、時間と共に発音する周波数が変化します。(TR-909系のキックの場合、鳴り始めは高音中心で、徐々に低音側にシフトしていきます)

 

ではなぜ、音程を持つようになるのでしょうか?

 

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これはキックの波形を表したものですが、BPMが上がるにつれて波形同士が重なっていきます。

 

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今回の設定では、前のキックと次のキックのつなぎ目で音が完全に切り替わるようにしてあるので、理論上キックは1つしか鳴っていません。

※設定によっては、つなぎ目より先でも前のキックの波形が残り、次のキックと重ねることもできます。ただその場合、BPMが上がるにつれて重なるキックの数が多くなり、その分音が増幅されるので音割れが発生します。(実際に試したところ、BPM172800で1000以上のキックが鳴っていました(汗))

 

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さらにBPMを上げていきます。

 

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先ほど、"時間と共に周波数が変化する"と書きましたが、キックの重ねる間隔が短くなると、周波数がシフトする前に次のキックの音が鳴ることになり、その結果、一定の音程で音が鳴っているように聞こえます。

 

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さらに間隔が短くなると、キックだった音色の繰り返しパターン(図の赤線の間隔)を一周期として、この長さを1波長とする新しい音程の音が聞こえ始めます。そのため、音程がどんどん高くなっていきます。

このとき、繰り返しパターンよりも波長の長い音(周波数の低い音)は理論上鳴りません。

BPM172800の場合、このパターンは1秒間に2880回繰り返されるので、2880Hz以下の音は鳴らないはずです。

しかし、実際にCubase上で再生すると所々大きな低音が入っており、BPMが上がるにつれて頻繁に入るようになります。(BPM172800ではもはやほとんどノイズしか鳴っていない…)

かなり無茶な打ち込みをしているので、DAWや音源の内部処理が追い付いていないからかもしれませんが、少なくとも今の自分のDTM環境では再生がうまくいっていないと言えます。

 

おわりに

今回の検証で、Cubase Pro 10のテンポ変更機能と打ち込みの工夫でBPM172800まで再現可能であることがわかりました。

くだらない検証ですが、最後までお付き合いくださいましてありがとうございます!(汗)

こんな記事はあまり書かないと思いますが、また面白そうなネタが見つかったらそれも記事にしようと思います(笑)

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ