中パンダイアリー

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【作例あり】Future Bassで使えるお洒落なコード進行

どうも、中パンダです。

 

Future Bassを作る際の重要な要素の一つに、コード進行があります。

いくつかの解説記事や動画を見ていると、この手のジャンルでは(曲にもよりますが)全体的に「お洒落なコード進行」が多いとされています。

ただ、実際にこの手のコード進行を使おうとしても、どんなコード進行かわからないという方もいらっしゃるかと思います。

今回は、Future Bassで使えそうなお洒落なコード進行について、コードの仕組みに触れながらいくつか紹介していきたいと思います!

また、いくつかのコード進行については自作曲を交えて紹介したいと思います!

※説明を簡単にするため、コードは全てCメジャースケールで考えます。(カッコ内がCメジャーにおけるコード)

 

 

「お洒落なコード」について

そもそも、お洒落なコードとはどういうものでしょうか?

Future Bassからは離れますが、ジャズの理論書によると、セブンスコードやテンションコードがお洒落であるとされています。

これらのコードは構成音が4つ以上含まれており、響きが複雑になります。

この複雑さが「お洒落」の要因の一つとされています。(これ以外にもお洒落に聞こえる要因はありますが、今回は割愛します)

 

セブンスコード

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3和音のコード(Cメジャースケール)

 

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セブンスコード(Cメジャースケール)

3和音のコードに7度の音を足したものをセブンスコードと呼びます。1オクターブの中に4つの音が入ることで響きが複雑になり、Ⅶm7-5とⅤ7以外はお洒落な響きになります。

Ⅶm7-5とⅤ7のコードについては、構成音の中に増4度(半音6つ分)の音程が含まれており、お洒落というよりは緊張感のある響きになります。(この音程は別名トライトーンと呼ばれます)

  • Ⅶm7-5(Bm7-5):ルートと5度が増4度
  • Ⅴ7(G7):3度と7度が増4度 (共にBとFの音程に相当)

 

コード進行を考える際は、この2つのコードの扱いに注意すると比較的簡単にお洒落なコード進行を作ることができます。(と言いつつ割とよく使われるんですが、慣れないうちは避けることをお勧めします(汗))

 

コード進行例

ここから先は、実際に曲中で使える可能性があるコード進行について紹介します。

(可能性がある、と言わざるを得ないのは、該当するコード進行を使ったFutureBassの楽曲を発見できなかったからです。ごめんなさい…)

まずは安直に、ポップスなどでよく使われるコード進行を片っ端からセブンスコードにしてみましょう!(先述2つのコードには注意です)

 

JPOP王道進行型(ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅲm7 | Ⅵm7)

Ⅳ | Ⅴ | Ⅲm | Ⅵm( F | G | Em | Am )

 

このコード進行はJPOPにおいて非常によく使われるコード進行ですが、これを全てセブンスコードにします。

こうすることでお洒落さが増し、FutureBassでも使える可能性があります

 

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ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅲm7 | Ⅵm7(FM7 | G7 | Em7 | Am7)

 

また、Ⅵm7をセブンスコードにせずⅥmのままにしておくと、コードの"解決した感"が強くなり、コード進行の勢いが強くなります。

 

ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅲm7 | Ⅵm(FM7 | G7 | Em7 | Am)

 

この他、Ⅴ7をセブンスコードにせずそのままにした以下のようなコード進行も考えられます。

こちらは、Ⅴ7の緊張感ある響きが無くなったことで、よりお洒落な雰囲気になります。

 

ⅣM7 | Ⅴ | Ⅲm7 | Ⅵm7(FM7 | G | Em7 | Am7)

 

この辺りは、曲の雰囲気に合わせてセブンスにすべきかどうか考える必要があります。

 

小室進行型(Ⅵm7 | ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅰm7)

Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅰ(Am | F | G | C )

 

小室哲哉氏が多用したことから名前が付けられたコード進行ですが、これもセブンスコードにしてみます。

 

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Ⅵm7 | ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅰm7(Am7 | FM7 | G7 | CM7 )

 

個人的にはやはりⅤ7の響きが気になるので、ここはセブンスコードにせずにコード進行を組んだほうがお洒落だと思います。

 

Ⅵm7 | ⅣM7 | Ⅴ | Ⅰm7(Am7 | FM7 | G | CM7 )

 

PopPunk進行(Ⅵm7 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅴ)

Ⅵm | Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ(Am | F | C |G )

 

洋楽でよく見られるコード進行ですが、これもセブンス(ry

 

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Ⅵm7 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅴ7(Am7 | FM7 | CM7 | G7)

 

なお、PopPunk進行にはコードの順番を並び替えた3つのバリエーションがあり、それぞれのコード進行は次のようになります。

 

Ⅵm7 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅴ(Am7 | FM7 | CM7 | G7)

ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅴ | Ⅵm7 (FM7 | CM7 | G7 | Am7)

ⅠM7 | Ⅴ | Ⅵm7 | ⅣM7 (CM7 | G7 | Am7 | FM7)

 

ⅣM7 | Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅰ7

Ⅲ7とⅠ7の2か所でスケールアウトするのがミソ

椎名林檎の曲でよく使われる

 

ジャンルは違うが、セブンス多めなのでFuturebassでも使えるはず・・・

 

テンションコード

セブンスコードにさらに1音付け足して、5和音以上にしたものをテンションコードと呼びます。

今回はテンションコードの例としてナインスコード(9th)を紹介します。

 

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テンションコード例(ナインスコード)

こちらもセブンスコードと同様に"上に音を重ねて"いけばコードは完成しますが、Ⅲm7(♭9)とⅦm7-5(♭9)は非常に響きが汚くなり、ほとんどの曲で使うことができません。(短9度(1オクターブ上のさらに半音上)の音程が含まれるため)

ですので、ⅢとⅦのコードはナインスコードにせず、セブンスコードかそれ以上のテンションコード(11thや13th)にしましょう。

 

作例

ここからは、実際に曲を挙げてコード進行を紹介したいと思います。(カッコ内はその曲のキーに合わせたコードになります)

 

Ⅵm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅴ

 

この曲のイントロ部分になります。

 

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Ⅵm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅴ(C#マイナースケール:C#m7 | G#m7 | AM7 | B)

 

基本的にセブンスコードですが、最後のⅤだけはセブンスにせず、そのまま3和音のコードで使っています。

 

ⅠM7 | Ⅴadd9 | Ⅵm7 | Ⅳ♭M7(9) | Ⅴadd9

 

この曲のイントロ部分になります。

 

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ⅠM7 | Ⅴadd9 | Ⅵm7 | Ⅳ♭M7(9) | Ⅴadd9(Eメジャースケール:FM7 | Cadd9 | Dm7 | B♭M7(9) | Cadd9

 

Ⅴのセブンスコードは緊張感ある響きですが、ナインスコードの場合は響きがお洒落になります。

この曲ではadd9の広がっていくようなお洒落さを意識して作りました。

 

Ⅵm7 | Ⅱ7 | ⅣM7(9) | ⅠM7

 

この曲のドロップ部分になります。

 

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Ⅵm7 | Ⅱ7 | ⅣM7(9) | ⅠM7(Eメジャースケール:C#m7 | F#7 | AM7(9) | EM7)

 

このコード進行の特徴は、構成音が半音で進行していくところです。(B→A#→A→G#)

半音進行によって、いわゆる「エモさ(笑)」を出すことができます。

また、F#7のところでA#が出てきますが、この瞬間にEメジャースケール以外の音が出現することになり、スケールアウトします。

このスケールアウトで曲の雰囲気があやふやになり、独特な浮遊感も出すことができます。

 

おわりに

今回は、Future Bassで使えるコード進行について、一部自作曲を交えながら紹介しました。

FutureBassは近年人気を集めているジャンルの一つですが、コード進行が重要であるにもかかわらず、調べてもなかなかいいコードが見つからずにいました。

今回の記事が、Future Bass作曲に少しでも役に立てれば幸いです。

セブンスコードやテンションコードは自分もまだまだ勉強中なので、今後より理論を詰めていこうと思います!

そして、もっといい感じのFuture Bassが作れるように頑張ります!

 

それでは、今回はこのくらいにしておきます。

 

ではではノシ