中パンダイアリー

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【作例あり】ディミニッシュコードを使ってこみ上げるエモさを出す

どうも、中パンダです。

今回は、ディミニッシュコードを使って一味違ったエモさを作り出す方法について、記事を書いていきます!

人によっては「使いどころがない」、「使い方が分からない」と言われるコードですが、コードの特性を把握して、曲中で効果的に使えるようになっていただければと思います。

後半では、自作曲を使って解説をしています。

 

 

ディミニッシュコードについて

ディミニッシュコードとは、コードの基準となる音(ルート音)から短3度(半音3つ分)ずつ上に音を重ねて作られるコードのことを言います。

 

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ディミニッシュコード

いくつ音を重ねるかについては、後述のように流派が分かれています

メジャーコードやマイナーコードなど、音楽でよく使われるコードは短3度(半音3つ)と長3度(半音4つ)が混在しています。

そのため、短3度のみの音程で音が積まれているディミニッシュコードは、コードとしては特殊な部類になります。

しかし、その独特な響きゆえに曲中でアクセントをつけることができ、使い方次第では深みのある曲に仕上げることができます。

例:ドミナントセブンスの代理コード・パッシングディミニッシュ(後述

コード表記とその流派について

CをルートとするディミニッシュコードはCdimと書きます。

なお、コードの呼び方については大きく2つの流派があります。

  • C,E♭,G♭で構成されるコードをCdimと呼び、そこからさらに短3度上のAを足したものをCdim7と呼ぶ流派
  • 逆にC,E♭,G♭,Aの4和音で構成されるコードをCdimと呼び、C,E♭,G♭のコードはCm♭5(Cマイナーフラットファイブ)と呼ぶ流派

 

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ディミニッシュコードの呼び方

 

本記事では前者を採用しますが、人によっては後者で解説している場合も多々あるので、混乱しないようにご注意ください。

呼び方が違っても、理論的な部分は同じです。

 

使用法

ドミナントセブンスの代理コード

ドミナントセブンスを構成する3th,5th,7thの音は全て短3度の関係にあります。

そのため、ドミナントセブンスの3thの音からディミニッシュコードを作った場合、ルート,3th,5thが共通音となります。

この3つの共通音を利用し、ドミナントセブンスの代理コードとして使用することができます。

実際のコードの例では、

  • Cメジャースケールの場合、G7の代理でBdim
  • Aマイナースケールの場合、E7の代理でG#dim

がそれぞれ対応しています。

 

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コード:G7とBdim

 

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コード:E7とG#dim

 

パッシングディミニッシュ

コードとコードの間に挿入して、コードが滑らかにつながるようにする使用法です。

コード進行が全音(半音2つ分)で進行しているところで使うことができます。

 

 例:C | Dm

   C | C#dim | Dm

 

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パッシングディミニッシュでベースが滑らかにつながる

ベースが半音ずつ上昇していくので、つながりが滑らかになります。

 

曲の解説

今回解説に使うのは、深夜の2時間DTMで作ったこちらの曲です。

 

 

2021/7/18追記:Audiostockでも配信しています。こちらもぜひチェックしていただければと思います。

 

曲の構成は次のようになります。

  • 最初~22秒付近:Aパート
  • 22秒付近~44秒:A´パート
  • 44秒以降:Bパート(転調後)

今回解説するのは、この曲のBパートです。

 

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この部分のスケールはC#マイナースケールで、コード進行は

 

C#m B | A G#m | F#m B | B#dim C#m

(楽譜表記の都合上CdimではなくB#dimと書く。)

 

です。

このうち、B#dimはG#7の代理コードです。

特徴的な響きなため、この部分で曲にアクセントをつけることができます。

 

また、コードがB→B#dim→C#mと移っていくとき、ベース音がB→C→C#と半音ずつ滑らかに変化している様子が分かるかと思います。

そのため、ドミナントセブンスの代理であると同時に、パッシングディミニッシュ的な使い方もしているとも言えます。

一般に、半音進行は情緒的な響きになるので、このコード進行によってこみ上げる感じのエモさを出すことができます。

 

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ちなみに、最後のコード進行は

 

C#m B | A G#m | F#m Gaug | G#7 C#m

 

で、代理コードとしてのディミニッシュは使わず、本来のドミナントセブンスG#7を使っています。

F#m→G#7とコードが進行するとき、間にGaug(Gオーギュメント)というコードを挟むことで、ベースが半音ずつ変化するようにしています。

(この部分は、Gdimなど別のコードをあてはめることもできるかもしれません…勉強中です)

 

おわりに

今回は、ディミニッシュコードを使って一味違うエモさを出す方法について書きました。

ディミニッシュコードは一見すると使いどころのないコードのように見えますが、効果的に使えば曲にアクセントをつけ、オリジナリティを出すこともできるでしょう。

ディミニッシュコードを使う際の参考になれば幸いです。

自分もまだ勉強中ではありますが、ディミニッシュコードを積極的に使って、より効果的に使いこなせるように練習したいと思います!

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ