中パンダイアリー

作曲のTIPS、日々の活動など色々書いていきます。同人音楽・音楽配信等の情報もこちらに書いていきます。

【ヤバい】財布と帰りの新幹線乗車券を忘れたまま東京に行った

どうも、中パンダです。

皆さんはどこかへ出かけるときに当然財布は持つものだと思います。

どれだけ便利になったとしても、お金が無くては電車にも乗れず、お土産はおろかその日のご飯も買うことができません。

また、遠方になればなるほど移動にかかる時間的・金銭的コストは増えるので、よほど行き慣れた場所でなければ、行った先での行動は計画的になります。

そのため、予め帰りの乗車券も購入するという人も多いかと思います。

まさか、こんな大切なものを家に置いてくるなんて、そんな大失態を一体だれが犯すのでしょうか…?

 

 

 

私です

 

 

 

はい、やらかしてしまいました。

これはもう半年くらい前の話ですが、二度とやってはいけない、自分にとって絶対に忘れてはならない出来事(忘れるわけがないでしょうが…)なので、記事に残そうと思います。

そして、自分がやらかしてしまった原因と、自分なりの対策も書いていきます。

(やらかさないとは思いますが)はっきり言ってとんでもない危険行為なので、これを読んだ皆さんは絶対にやらかさないようにしましょう。

 

 

やらかしたこと

去る6月10日、自分は当時就職活動の真っただ中にあり、この日も面接のため関西から東京へ向かうことになっていました。

当日窓口が込む可能性も考え、予め前日に往復で乗車券を購入していました。

 

そしてこの日、リクルートスーツ(黒)に就活黒カバン・黒靴という"典型的な就活生"のコスプレをし、乗車券を手に新幹線に乗り込みました。

車内で面接の想定質問・自分の考え・会社のビジョンなどを最終確認し、ついに東京に到着。

ここで自分の将来が決まるという緊張感を抑えながら新幹線改札を出て、地下鉄に乗り換えようとカバンの中を探したとき・・・

 

・・・

 

・・・!!

 

財布が無い!?!?

 

あぁ・・・やってしまった、と改札手前で崩れ落ちました。

「自分はなんてクズ人間なんだ…こんなヘマをやらかす人材を会社が採用するわけが無い」とホームから飛び降りたくなったくらいです。(当時周りは自分以外全員が内定をもらっていて精神的に滅入っていた)

ただ、そんなことを考えていても面接時間は待ってくれません。

幸いにもSuicaは別で持っていたので、会社の最寄り駅までは行くことができます。

残金も東京駅までの往復分なら十分足ります。

昼ごはんが買えないのが辛いですが、そんなことを考えられる心理状態ではありませんでした。

気を取り直して地下鉄の改札内に入り、電車に乗り込みました。

 

しかし、ここでさらに絶望的な事実を思い出してしまいました。

 

それは、

財布の中に帰りの新幹線・乗車券を入れていたということです。

 

財布の中には現金の他、クレジットカードや銀行のキャッシュカードも入っていました。

クレジットカードさえあれば何の問題も無かったのですが、そもそもそのカードが無く、銀行やATMでお金を引き出すこともできません。

つまり、昼ごはんを買えない以上に、関西にある自宅に帰ることができません。

自分はあろうことか、文字通り無一文の片道切符で東京まで来てしまったのです。

 

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※ルートはイメージであり、実際の移動ルートとは異なる場合があります

 

もう平常心を保っていられる状態ではありません。

逆に何で行きの乗車券は持っていたのか、そちらのほうが不思議に思えてきます。

絶望を通り越して、もはや笑いがこみ上げてきます。

 

人が笑うときは2つある

  • 楽しいことが起こったとき
  • 絶望の淵に立たされてどうしようもなくなったとき

 

などと、詩人のようなことを考えていると、ふとあることを思い出しました。

それは、

「遠方からの面接参加者には交通費が支給される」

と事前に会社から連絡があったことでした。

 

ただ、当日支給かどうかは知らされていません。

仮に後日支給だった場合、詰みます。

事情を話して「現金で支給できませんか?」と会社の人にお願いすることもできるでしょうが、この瞬間「自己管理能力が無い」とみなされ、不採用になる可能性があります。

駅でお金を借りられるという話もありますが、近距離ですら確実に借りられるかどうかは分かりません。

ましてや、JR東日本以外にJR東海JR西日本にもエリアがまたがるため、他社エリアの分まで運賃を貸してもらえるとは到底思えません。

 

そんな、ちょっとしたミスがゆえにとんでもなく救いの無くなった現実にうなだれているうちに会社の最寄駅に到着し、現金支給というわずかな望みに賭けつつ、面接時間を迎えました。

 

・・・

 

面接を終え、事務の方に別室に案内され・・・

 

 

現金で交通費が支給されました!!!!

 

自宅の最寄り駅までの金額がきっちり入っています。

助かりました。本当にありがとうございます…

 

また、Twitterで絶望のツイートをしたところ、現金を貸してくださるという現地のフォロワーさんから連絡がありました。

結果としてお借りすることはありませんでしたが、お心遣い本当にありがとうございました…

次からは二度とやらかしません。

そう硬く心に誓い、新大阪行きののぞみに乗り込みました。

 

原因

なぜこんなとんでもないことをやらかしてしまったのか?

当日やそれまでの行動を自分なりに分析したところ、いくつか心当たりがありました。

 

準備を中途半端にやっていた

就職活動に限らず、旅行の準備をするときでも、前日に準備を始めたにもかかわらず

「今日はここまで準備した。残りは明日準備しよう。」

と、途中で準備を中断してしまっていました。

自分の性格上、物事を途中で投げ出してしまいがちなので、今回はそれが火を噴いたことになります。

就職活動では"スーツ"という普段とは違う身だしなみになり、カバンも当然私用とは違うものを使います。

前日にも、いつも使っているカバンから就活カバンに荷物を入れ替えたのですが、このときにカバンの中身の一部だけを入れ替え、そのまま放置してしまいました。

 

そしてその日は準備半ばに就寝。

翌日も準備に取り掛かったものの、「カバンの中身は全て移し変えた」と勘違いし、そのまま出発してしまいました。

 

行きの乗車券だけ別の入れ物に入れていた

自分はかなり忘れっぽい人間なので、前日に新幹線切符を買ったことを忘れてしまいかねません。

そのため、最低限行きの乗車券だけは普段よく手に持つSuicaと同じ入れ物に入れ、存在を忘れないようにしていました。

しかし、帰りの乗車券は先述のように財布に入れていました。

このことにより、財布も帰りの乗車券も無いにも関わらず東京に行ってしまうという、ありえない事態が発生したのです。

 

極度の心配性だった

先ほど、「自分は作業を途中で中断してしまいがち」と書きましたが、なぜ途中で中断してしまうのでしょうか?

おそらく、完璧にできていなければ気がすまない、ある種の強迫感情のようなものが働いていたのではないかと考えています。

自分の場合、ある作業をやっている途中で"別のやるべき作業"を思い出すと、「忘れないうちにその作業をやってしまおう」とそちらに気をとられてしまいます。

そしていざその作業に取り掛かると、今度はまた別の作業を思い出して、そちらを始めてしまう・・・を繰り返してしまいます。

しかし、このような作業のこなし方をしていては、全ての作業が途中放置状態になり、いつまでたっても完了しません。

その結果、今回のように準備不完全な状態が発生し得ます。

今回の荷物詰め替えの際も、準備途中で面接内容がちゃんと言えるか心配になり、気を取られて準備作業を中断してしまったのだと思います。

行きの乗車券だけ別の入れ物に入れていたのも、当日同じ乗車券を買ってしまわないか心配だったからだと思われます。

 

対策

準備は最後までやりきる

準備を始めたら、必ず終わるまで止めません。

中断して次の日に持ち越してしまうと、「昨日はどこまでやったっけ?」と思い出す必要があり、時間の無駄が生じます。

さらに、どこまで何を準備したかを間違って思い出してしまった場合、必要な備品をカバンに詰めずに出発してしまいかねません。

 

明日の自分を信頼してはいけません。

今日できることは今日のうちにやりきってしまうべきです。

 

これを実践して半年になりますが、以降同じような失敗は一度も犯していません。

 

行き帰り両方の乗車券を同じ入れ物に入れる

今回は行きの乗車券だけ別で持ってしまったことにより、とんでもない失敗を犯してしまいました。

行き帰り両方の乗車券を同じ入れ物に入れておけば、仮に財布を忘れてしまっても自宅まで帰ることはできます。

また、乗車券の入れ物を忘れてしまった場合はそもそも電車に乗ることができないので、無一文で見知らぬ土地に行ってしまうことはありません。

 

やるべきことをリスト化する

予めやるべきことをリスト化しておけば、何と何と何をすればいいかが一目で分かり、目の前の作業に集中できます。

今回の例であれば、

  • 面接内容確認(自身の考え・会社のビジョン・想定質問etc)
  • スーツ着用
  • カバンの積み替え
  • 靴の履き替え
  • 往復乗車券購入

といった具合に書き出し、完全に終わったら消していきます。

先述の通り、作業を中断してはいけません。

たとえ途中でやるべきことを思い出したとしても、リストにスタックしておくことで忘れる心配が無く、いまやっている作業を中断せずにすみます。

 

人間は誰しも完璧ではないと考える

これは対策というよりは心構えになります。

個人的な見解ですが、日本社会はとにかく完璧を求めすぎている気がします。

就活関連のキーワードで検索をかければ、「成功する○○」よりも「失敗しない○○」「知らないと恥ずかしい○○」のほうが圧倒的に多く検索に引っかかります。

それだけ、失敗を恐れている人が多いのでしょう。(恐れるな、とは言いませんが、恐れすぎだと思います)

しかし、失敗しない人間なんて世界中のどこにもいません。

それにもかかわらず、完璧を求めるあまり「失敗は絶対にしてはならない」という強迫感情に駆られ、ストレスによって判断力が失われます。

壊れたスピーカーで完璧な音楽が作れないのと同じように、失われた判断力で完璧な作業を目指そうとしても、どこかで絶対にボロが出ます。

皮肉な言い方ですが、完璧を目指そうとする人ほど、逆にミスを連発するクズ人間になってしまうでしょう。

 

それならば、最初から「人間はミスをするものだ」と考えるべきではないでしょうか?

この心構えによって、「失敗してはいけない」という強迫観念から解放され、判断力も正常に保たれます。

健全な判断力によって作業もばっちりこなすことができ、逆にミスを少なくできるのではないでしょうか?

今回の場合でも、「多少のことは大丈夫だろう」と気楽に構えていれば、忘れ物もなくなり、面接もうまくしゃべることができたかもしれません。

 

おわりに

財布も帰りの新幹線乗車券も持たずに東京に行くという、普通では考えられないような失敗について記事を書きました。

面接の会社とは結局ご縁が無かったわけですが、面接官と興味深い話ができていろいろと勉強になりました。

まあ、いろいろありますけどね

 

重ねてお礼を申し上げますが、絶望の淵に立たされていた自分に声がけをしてくださったフォロワーの方、本当にありがとうございました…

今回考えた対策を講じて、二度と起こらないようにします。

最後に、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

めったにやらかさないであろう出来事ですが、事件を未然に防ぐという意味でもこの記事が参考になれば幸いです。

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

イベント会場で忘れ物に気づき、家まで取りに帰った

どうも、中パンダです。

先日の音けっとでは、不手際により頒布開始が2時間以上遅れるという失敗を犯しました。

これにより、イベント開催時間の半分以上が無になってしまいました。

今回は、今後二度と同じ失敗を犯さないようにという戒めの意味も込めて、不手際の詳細とその対策を書いていきます。

 

 

やらかしたこと

イベント前日

自分が運営するサークルの場合、壁サークルのように一度に何百枚も売るわけではないので、当日の頒布物やイベント準備物は全てスーツケースに入れています。

前日夜には試聴機材以外の全ての準備物をスーツケースに詰め込み、チェックリストまで作って厳重にチェックを済ませました。

また、イベントでは事前にマイクパフォーマンスを申し込んでいたので、そのための原稿を作り、音源も実際に流しながらシミュレーションしました。

そして、納得いくパフォーマンスができたのを確認し、準備は完了しました。

 

あとは当日を待つだけです。

 

もう、心配することなどなにも無いのです。

 

翌日のイベントへのワクワク感と一抹の不安感を抱きながら、その日は眠りにつきました。

 

 

イベント当日

完璧に準備されたスーツケースを閉じ、鍵をかけました。(これがのちに悲劇を生むことになろうとは知らずに・・・

この日のために用意した余所行きの服を着飾り、髪をセットし、スーツケースを手に取り・・・

 

いざ、晴れ舞台へと出発です。

 

電車に乗り込み、電車内ではマイクパフォーマンス用の原稿を見ながら最終の脳内シミュレーション。

事前にお願いしていた売り子と合流し、ついに音けっとの会場、難波御堂筋ホールに到着です!!

 

さっそくブースの設営をしようとポケットを探ったそのとき・・・

 

 

・・・

 

・・・

 

鍵が・・・無い!?!?

!?!?!?!?!?

 

・・・

 

その場に崩れ落ちました。

まさか、自分がそんな重大な失敗をするなんて・・・orz

 

しかし、まだ絶望するのは早い。

 

考えられるとすれば、

  • 道中で落とした
  • 家に置いてきた

の2パターンが考えられます。

仮に鍵を落とすような行動をとっていたとすれば、乗換駅構内の可能性が高いです。

時間はまだ11時半。

イベント開催時間は12時~16時なので、今から道中(特に乗換駅)を探せば、イベント時間中に見つけて戻ってこれるかもしれません。

 

そして、最悪家に鍵を置いてきていたとしても、イベント会場から家までは1時間半足らずで帰れるので、イベント後半戦には間に合います。

 

売り子の人にブースに残ってもらい、鍵を探しに行きました。(売り子の人、本当にありがとう・・・)

 

 

まず、最終下車駅の難波駅13番出口~地下鉄御堂筋線ホームを捜索

駅員にも落とし物確認をお願いしつつ、家に置いてきた可能性を考えて別の駅へ・・・

 

次に、新大阪駅の地下鉄ホーム~JR改札付近を捜索

ここにも鍵は無く、「家に置いてきた」説が濃厚になりました。

 

焦る気持ちを抑えながら家に帰ってみると・・・

 

鍵がある・・・(机の上に)

 

まさか机の上に堂々と置かれている鍵に気づかずに出発するとは・・・

すぐさま折り返しの電車に乗り込み、朝と全く同じルートで音けっと会場に戻りました。

 

実に往復3時間・・・

 

時刻は既に14時20分

2時間20分遅れでブース設営完了です。

 

 

不手際をネタにマイクパフォーマンスで笑いを取りつつ、イベント終了時間を迎えました。

 

対策

イベントのゴールデンタイム(開始直後~2時間ほど)を逃したため、売り上げに関してはかなり痛手を食らいました。

(それでも、鍵を取りに帰らなかった場合よりはマシだったのですが…)

しかし、今回はイベントが地元開催だったため取りに帰ることができましたが、これが東京などの地元以外だともう不可能です。諦めるしかありません。

 

そうならないように、対策を取らねばなりません。

(「鍵をかけない」は防犯上よろしくないので無しです)

 

1. 鍵を2か所に分散する

大抵のスーツケースの場合、鍵は2つセットでついている場合が多いです。(自分のものもそうでした)

そのため、1つの鍵を財布などの絶対に肌身離さず持っているものに入れておき、万が一手持ちのカギを忘れてしまっても、予備の鍵が使えるようにします。

これは同人イベントに限らず、旅行に行くときなどにも有効です。

 

2. 重要度の高いものは手持ちカバンに入れる

同人イベントで最も大事なものといえばやはり、サークルチケット・頒布物ではないでしょうか?

これらが無いとサークル主と売り子は人権を失います。

スーツケースに入れても鍵を無くしてしまうリスクを考えると、これら2つは肌身離さず持っている手持ちカバンの方に入れるのが良いかと思います。(頒布物が多い場合は全体の何割かを入れる)

こうすることで、「サークルチケットを無くして入場できない」「頒布物が全く無い」という最悪の事態を避けることができます。

 

3. 頒布物をイベント会場に事前搬入する

大抵の頒布物は段ボール箱の中に入っているので、頒布物を事前に会場に運び入れておけば、会場で開封することができます。

スーツケースのように、鍵を開けなければいけないものではないので、「頒布物が頒布できない」という事態を避けることができます。

 

4. 鍵をかけない

防犯上よろしくないので却下です。

 

おわりに

一部の人を除き、同人イベントは年に数回あるか無いかの一大イベントです。

しかし、自分のように不手際をしてしまうと、せっかくのイベントも台無しになってしまいます。

自分はやらかし太郎になってしまいましたが、同じ事態にならないことを願っています。

そして、自分もこれから対策をして、二度と同じ失敗をしないようにしようと思います。

 

当日は1人売り子をお願いしていた人がいましたが、2時間以上何もないブースに居てもらったにもかかわらず、その後のブース設営や売り子の役割を全うしてくれて、本当に感謝しています。(ありがとう)

また、こちらの都合にも関わらず、マイクパフォーマンスの順番を変更してくださった音けっと運営の方々、本当にありがとうございます。

そして、途中からの頒布開始にも関わらず、ブースに立ち寄ってくださった方々、本当にありがとうございます!

次回以降も音けっとには出展していきたいと思っているので、今後ともよろしくお願い致します!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

第四回音けっとにサークル参加します

どうも、中パンダです。

12月になってしまいました。

今月は同人イベントに参加する機会が比較的多いので、宣伝もいつもより多くなるかと思います。

 

そういうわけで、さっそくイベント参加の告知をさせていただきます。

同人音楽PND音楽館」は、12月8日(日)に大阪の難波御堂筋ホールで開催される第四回音けっとにサークル参加します!

配置スペースは、B37 です!

 

音けっとについて↓

otoketto.jimdofree.com

 

久々に大阪でのイベント参加となります。

関西在住の方や、当日近くに行かれる方などはぜひイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

 

当サークルの頒布物としては、先日の秋M3で発表した新譜、昨年度の旧譜となっています。

 

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こちらがお品書きです。

 

当日イベントに行かれる方はぜひ、当サークルのブースにも遊びに来てください!

それでは、よろしくお願いします!

【自作曲解説】昭和時代っぽい歌謡曲の作り方(編曲編)

どうも、中パンダです。

 

前回の記事に引き続き、昭和時代の歌謡曲を意識した曲作りについて記事を書いていきます。

前回は作曲についてでしたが、今回は編曲についてです。

作曲編はこちら↓

whitepanda924.hatenablog.com

謡曲の雰囲気を出すには、作曲と同じくらい編曲も重要になりますが、その中でも特に、楽器選びとそれらのフレージングについて解説します。

※個人的な見解が多く含まれており、間違っている箇所もあるかもしれませんが、ご了承ください。

 

 

謡曲の特徴(編曲面)

編曲については、年代やアーティスト等によって様々ですが、おおよそ次のような特徴があるようです。

 

暖色系の音色

抽象的な言い方ですが、"暖色系"の音色が多く使われているように感じました。

具体的には、楽器の音がラジオサウンドのように高音域と低音域が緩やかにカットされた(4~6kHz以上と100~200Hz以下が減衰している)イメージです。

 

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音色イメージ

謡曲が作られた年代の"音源"の多くは現代ほどハイファイでクリアな音質だったとは言えず、籠ったような音になっています。

この音質が"レトロ感"を醸し出し、昭和のような、今となっては古くなってしまった時代のイメージに結びついているのではないかと思います。

また、年代が新しくなり音質が良くなっても、「低音や高音を強調せず、中音域中心で聴かせる」という特徴は変わっていないように感じました。

 

オクターブストリングス

ほとんど全ての歌謡曲にストリングスが使われています。

さらに、イントロや合いの手などのフレーズは、1オクターブ上の音を重ねて演奏するという技法がよく用いられます。

 

ブラスセッション刻み

ブラスセッションも多くの曲で使われており、スタッカートを利かせた短いフレーズで演奏される場合が多いです。

 

曲の解説(編曲)

先ほど書いた編曲面での特徴を取り入れ、曲を作ります。

今回解説する曲の楽器構成は、ドラム・ベース・ピアノ・ストリングス(コード&合いの手)・ブラスセッション(合いの手)・その他となっています。

以下に、各楽器の使い方を解説していきます。

 

ドラム

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ドラムフレーズ

曲全体にわたって、基本的な8ビートでフレーズを構成しています。

謡曲っぽいリズムにするため、表拍中心でフレーズを作り、表拍(今回は8分の表)のベロシティを高めに、裏拍を低めに設定します。

 

ベース

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ベースフレーズ

個人的に歌謡曲・演歌などでよく見られるフレーズ(コードのルート音:4分音符+5度音(or3度音):8分音符+ルート音:8分音符、およびその派生形)を採用しました。

ドラムと同様、表拍を意識してノートを置いていきます。

特に四分音符の部分は、伸ばしきるのではなく、少し長さを短くします

四分音符は表拍上にのみ使用していますが、こうすることで鳴っているノートの存在感が強調され、表拍も強調されます。

(ベロシティは時間が無かったので調整していません…)

 

ピアノ

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ピアノフレーズ

8分音符単位の和音で使っています。

シンコペーションなどは一切使わず、拍の上には必ずノートを置いています。(実際には、MIDI鍵盤で弾いたものをリアルタイム入力しています)

こちらもやはり、表拍を(ry

今回はサステインon/offを使って音符の長さ調整をしています。 

 

ストリングス

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ストリングスフレーズ

先ほど「オクターブ重ねたストリングスが入る」と書きましたが、今回は最初からオクターブで重なっている音色を選んでいるので、MIDI上では単音で打ち込んでいます。

 

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ストリングス和音

また、和音は開離配置(オープンボイシングで鳴らしています。

開離配置とは、ベースを除いた和音が1オクターブ以上の範囲で配置されていることをいいます。(1オクターブ以内に収まっていれば密集配置(クローズドボイシング))

今回は華やかな雰囲気にしたかったので、音域の広い開離配置でストリングスを鳴らすことにしました。

 

ブラスセッション

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ブラスセッションフレーズ

短く刻んだフレーズを、合いの手を打つように使っています。

使っている音源が細いので、音に厚みを持たせるために4度下の音を重ねています。

 

その他

曲に煌びやかさを加えるため、イントロやサビを中心にうっすらとベルの音を入れています。

 

おわりに

今回は、歌謡曲らしい編曲について、自作曲を交えながら紹介しました。

前回の記事と合わせて、これだけ特徴をおさえていれば、ほぼ歌謡曲が作れると言っても過言ではないでしょう。

ただ、2時間DTMの範囲で作ったものなので、作り込める部分はまだまだあると思います。

謡曲とは言ってもアーティストによって曲調は様々なので、作例の一部にはなってしまいますが、この記事が歌謡曲を作る際の参考になれば幸いです!

 

それでは、今回はこの辺にしてきます。

 

ではではノシ

【自作曲解説】昭和時代っぽい歌謡曲の作り方(作曲編)

どうも、中パンダです。

 

1年以上前になりますが、深夜の2時間DTMにて「昭和時代をイメージした曲」というお題が出されたことがあります。

その日は都合が良かったので自分も参加したわけですが…

 

"昭和をイメージ"とは…?

 

という感じで、全く音楽のイメージがつかめずにいました。

なにせ、自分は昭和時代を生きたことが無いのですから。

 

しかし、あたふたしているうちに時間はどんどん過ぎていきます。

まずは「昭和 曲」、「昭和 音楽」などでググり、Youtubeもできる限り検索して、昭和っぽい曲のイメージを掴んでいきます。

その中で謡曲に行きつきましたが、このジャンルが昭和のイメージにピッタリだと考えました。

 

今回は、昭和時代の歌謡曲を意識した曲作りについて、素人ですが自作曲を交えながら記事を書いていきたいと思います!

解説するのは、先ほども言いましたが深夜の2時間DTMにて作ったこちらの曲です。

長くなりそうなので、作曲編と編曲編に分けて記事を書こうと思います。

編曲編はこちら↓

whitepanda924.hatenablog.com

 

また、当ブログでは音階のことを「スケール」と表記していますが、前回と同様に説明の都合上「音階」と表記致します。

 

 

謡曲の特徴(作曲面)

Wikipediaには、以下のように書かれています。

謡曲(かようきょく)とは、昭和時代に流行した日本のポピュラー音楽の総称である。その中でも昭和時代に発表された楽曲群は昭和歌謡とも呼ばれる。

なので、昭和時代に作られた曲」の特徴を調べれば、それがそのまま歌謡曲の特徴となり得ます。(例外はありますが)

昭和時代の歌謡曲は年代ごとに違いがあるものの、次のような特徴があるようです。(自分がYoutubeで調べたものを参考にしているので、間違いがあるかもしれませんがご了承ください…)

ヨナ抜き音階のメロディ

メロディにヨナ抜き音階がよく使われており、年代が古いほど顕著にみられます。

この音階は、通常のポップスなどで使われる7音の音階(ダイアトニックスケール)から、4番目と7番目の音を取り除いた音階です。

ニロ抜き音階と同様に、日本古来からある音階を基に明治時代以降に作られた音階のひとつで、長音階短音階があります。

 

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ヨナ抜き長音階ハ長調:C,D,E,G,A)

 

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ヨナ抜き短音階イ短調:A,B,C,E,F)

長音階短音階共に歌謡曲ではよく見られますが、ヨナ抜き短音階の方が演歌っぽい雰囲気の曲で使われることが多いようです。

 

表拍強調のリズム

メロディの譜割が表拍を中心に作られておりシンコペーションなどで前後に食い入るようなメロディは少ないようです。

日本人は表拍のリズム、西洋人は裏拍のリズムを持っているといわれていますが、この表拍強調のリズムが日本らしさや歌謡曲らしさを演出しているとも言えます。

 

メジャー・マイナーコードの明確な使い分け

 昨今のポピュラー音楽のように、メジャーコードもマイナーコードもごちゃまぜで使っている様子は、歌謡曲ではあまり見られません。

メジャースケールの曲はメジャーコード、マイナースケールの曲はマイナーコードというように、音楽理論の基本に則ったコード進行が多く使われている印象です。

 

これらの特徴を取り入れ、曲を作っていきます。

 

参考曲

謡曲を一切聞かずに1から、しかも2時間以内に曲を作るのはほぼ不可能に近いです。

そのため、初めてのジャンルを作るときは必ず参考曲を選ぶようにしています。

今回は

www.nicovideo.jp

こんな曲や

www.youtube.com

こんな曲、

www.youtube.com

こんな曲のメロディやリズム・編曲を参考に、曲を作ることにしました。

 

曲の解説(作曲)

今回解説する曲の構成は

  • 最初~21秒付近:イントロ
  • 21秒付近~41秒付近:Aメロ
  • 42秒付近~1分1秒付近:Bメロ
  • 1分2秒以降:サビ

です。

今回使う音階はFメジャーのヨナ抜き長音階(ヨナ抜きヘ長調)で、構成音はF,G,A,C,Dとなります。(B♭とEは除外)

この音階は、Aメロの一部・Bメロ以外のパートで用いています。(BメロはDマイナースケール)

また、メロディや対旋律・ドラム等も含めて、シンコペーション等はごく一部で使うのみに留め、表拍中心でフレーズを作っています。

これで、表拍強調の歌謡曲っぽいずっしりしたリズムが作れます。

 

以下に、個別のパートを解説していきます。

 

メロディ

イントロ

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ストリングスフレーズ

ストリングスのフレーズが入ります。

このフレーズはもちろんヨナ抜き音階で、いかにも歌謡曲な感じを意識しました(笑)

ヨナ抜き長音階なので、メジャースケールの4番目B♭と7番目Eの音を避けるようにフレーズが作られているのがお分かりいただけるかと思います。

 

Aメロ

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Aメロメロディ

アコーディオンでメロディが入ります。

一部ヨナ抜き長音階に含まれないEの音が入っていますが、それ以外は全てヨナ抜き音階で作っています。

 

Bメロ

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Bメロメロディ

このパートのみ、一時的にDマイナースケールで作っています。

ヨナ抜き音階だけだと表現のバリエーションに限りがあるため、一時的に別のスケールを使っています。

また、Aメロではメジャースケール(長調)を使って明るい雰囲気を出していたので、Bメロではその対比で少し暗めな雰囲気にします。

そのため、Fメジャースケールの平行調であるDマイナースケールでメロディを作っています。

 

サビ

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サビメロディ

再びヨナ抜き長音階に戻ります。

サビは曲中で一番盛り上がるパートなので、メロディも全パートで一番高い音を組み込みます。(今回は1オクターブ上のF)

また、メロディの音域もAメロやBメロより広くなるようにします。(Aメロ:1オクターブ、Bメロ:短7度、サビ:約1オクターブ半)

これも、サビで盛り上がるようにする工夫の一つです。

 

コード進行

イントロ・Aメロ

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コード進行(イントロ・Aメロ)

区切り方の違いはありますが、イントロとAメロはともに

F→B♭→C→F 

というコード進行を使っています。

謡曲は比較的シンプルなコード進行が多く用いられるので、今回の例でも3和音のシンプルなカデンツを使うことにしました。

 

Bメロ

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コード進行(Bメロ)

Aメロとの対比で、コードのバリエーションを増やしています。

BメロではスケールをDマイナースケールに変更したので、使うコードもマイナーコードを多めに使っています。

Bメロ4~5小節目にあるA→Dmのコード進行はドミナント(D)→トニック(T)へと解決する進行で、Aの部分で一時的にスケールアウトした響きになります。

同じように、Bメロ最後にあるA7も、サビの頭にくるDmへと進むA7→Dmの一部で、D→Tと進みます。

ただ、セブンスの音が足されたA7の方がAよりも緊張感が高く、D→Tによる緊張→解決の効果がより強調されます。

さらに、サビの手前で曲がいったん途切れるので、Bメロ最後のA7からサビ頭のDmに進んだ時の"解決した感"はますます大きくなり、サビをより強く印象付けることができます。

 

サビ

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コード進行(サビ)

一部を除き、典型的な小室進行(Dm→B♭→C→F)を使っています。

(自分が聞いた限りでは)歌謡曲に小室進行を使った曲は1曲も見当たらず、正直使うべきか迷いましたが、時間の都合もあったので、自分がメロディを思いつきやすいコード進行を使うことにしました。

 

おわりに

今回は、ヨナ抜き音階を使った歌謡曲らしいメロディの作り方と、コード進行の割り当てについて記事を書きました。

今回初めて歌謡曲を作りましたが、検索してヒットした曲はどれもキャッチーで味わい深いメロディばかりでした。

謡曲の肝になるのはやはりメロディで、メロディをいかに作り込めるかが曲のクオリティに関わってくるのだと思います。

今となっては「古臭いもの」と扱われがちですが、メロディの作り込みには見習うべきものがあると感じました。

今後も自分が歌謡曲を作るかどうかは分かりませんが、他ジャンルの曲作りにも参考にしていきたいと思います!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

【自作曲解説】ニロ抜き音階を使って和風曲を作る

どうも、中パンダです。

突然ですが、作曲をされている皆さんは、何かの拍子にふと和風な曲が作りたいと思ったことはないでしょうか?(自分は時々あります(笑))

あくまで個人的な感覚ですが、自分の周りのDTMerのうち半分くらいが、最低1曲は和風曲を作ったことがあるようで、それなりに作りたいという人はいるようです。

今回は、そんな和風な曲を作るのに欠かせない音階の話と、それを使ったメロディの作り方について、自作曲を用いて解説していきたいと思います!

 

今回解説する曲は、1年ほど前に深夜の2時間DTMで作ったこちらの曲です。

今の季節にぴったりな、秋風をテーマにした和風ハウスです。

この曲に関する他の記事↓ 

whitepanda924.hatenablog.com

 

※当ブログでは音階のことを「スケール」と表記していますが、今回は説明の都合上「音階」と表記致します。

 

音階について

今回は、ニロ抜き音階というものを使ってメロディを作ります。

ニロ抜き音階とは、通常のポップスなどで使われる7音の音階(ダイアトニックスケール)から、2番目と6番目の音を取り除いた音階です。

この音階は、日本古来からある音階を基に明治時代以降に作られた音階のひとつで、長音階短音階があります。

 

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ニロ抜き長音階ハ長調:C,E,F,G,B)

 

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ニロ抜き短音階イ短調:A,C,D,E,G)

 

長音階沖縄っぽい南国風の陽気な雰囲気短音階本土風のしっとりした和風な雰囲気を持っています。

この音階をメロディに使うことで、簡単に和風な雰囲気を表現することができます。

今回解説する曲では、ニロ抜き短音階を使ってメロディを作っていきます。

 

曲の解説

曲の構成は

  • 最初~19秒付近:イントロ
  • 19秒付近~57秒付近:バース
  • 57秒付近~1分16秒付近:ビルドアップ
  • 1分17秒以降:ドロップ

です。

今回解説する曲はC#マイナーのニロ抜き音階(ニロ抜き嬰ハ短調)で、構成音はC#,E,F#,G#,Bとなります。(D#とAは除外)

この音階は、ビルドアップ以外全てのパートで用いています。(ビルドアップはC#マイナースケール)

以下に、個別のパートを解説していきます。

 

イントロ

ピアノの伴奏から始まりますが、右手のフレーズにニロ抜き音階を使っています。

 

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上半分がフレーズ、下半分がコードばらし

C#マイナースケールの2番目D#と6番目Aの音を避けるようにフレーズを作っています。

イントロは曲の第一印象を決定づける重要なパートなので、ニロ抜き音階を前面に出して和風な雰囲気をはっきりと出しています。

 

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また、このピアノパートは右手でフレーズ、左手でコードのばらしを演奏していますが、音域が近いので、左手の高音域側が右手の低音域側と重複して一つのフレーズのように聴かせることができます。

 

バース

笛のメロディが入ります。

(尺八っぽい音色が欲しかったのですが、あいにく音源を持っていなかったので、代用としてHALion Sonic SE付属のEthnic Fluteに薄くコーラスをかけたものを使っています)

 

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笛メロディ(バース)

イントロと同じく、D#とAの音を避けるようにフレーズを作っています。

 

ビルドアップ

ドロップへとつながる盛り上げパートです。

 

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笛メロディ(ビルドアップ)

このパートのみ通常のマイナースケールを使っていますが、これは曲調に変化をつけるためです。

ニロ抜き音階のように構成音が5つしかない音階は、7音使えるメジャースケールやマイナースケールに比べて表現の幅が小さく、どうしてもマンネリ化しがちです。

そのため、マンネリ化を防ぐために和風曲の中でも一時的にマイナースケールを使い、聴き手が飽きないようにしました。

 

ドロップ

リードやバックでシンセが入り、曲中で一番盛り上がるパートです。

 

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シンセメロディ

このパートでは再びニロ抜き短音階に戻り、イントロやバースと同様にD#とAの音を避けるようにフレーズを作っています。

ドロップ後半では笛の対旋律が入りますが、このフレーズもニロ抜き音階で作っています。

 

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笛対旋律

対旋律はメロディほど目立たないがゆえに、音階に含まれない音を使ってしまうとオケに馴染まず浮いてしまいます。

曲によっては音階に含まれない音を使うケースもありますが、今回はあくまで「和風曲」にしたいので、ニロ抜き音階に忠実に対旋律を作ります。

 

【余談】ヨナ抜き音階との違い

和風曲を作るときに用いられる代表的な音階の一つに、ヨナ抜き音階があります。

(世間的にはこちらの方がよく知れ渡っているような気がしますが、気のせいでしょうか…?)

ニロ抜き音階が"2"と"6"を取り除いたものであるのに対して、ヨナ抜き音階は"4"と"7"を取り除いたものになります。

このヨナ抜き音階にも長音階短音階があります。

 

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ヨナ抜き長音階ハ長調:C,D,E,G,A)

 

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ヨナ抜き短音階イ短調:A,B,C,E,F)

 

ヨナ抜き長音階雄大でどことなく大陸っぽい雰囲気、ヨナ抜き短音階平安時代の京都のような日本的で妖気漂う雰囲気の音階です。

ヨナ抜き音階もニロ抜き音階と同じく、日本古来からある音階を基に作られたものですが、基となる音階が違うため雰囲気は異なります。(もっと言うと、同じニロ抜き音階でも、長音階短音階で違います)

そもそも、元々別々に存在していた音階を西洋音楽に当てはめて作られた音階なので、全く別物であると考えたほうがよいです。

なので、「ヨナ抜き音階は~、ニロ抜き音階は~」という区別は全く意味がなく、4種類の和風音階が存在する、という考え方が妥当ではないかと思います。

ただ、ヨナ抜き長音階とニロ抜き短音階に注目すると、音階の開始音(主音)が違うだけで音の並びが同じ、いわゆる平行調になっています。(例:Cから始まるヨナ抜きハ長調と、Aから始まるニロ抜きイ短調平行調

 

なので、この2つの音階については雰囲気が似ていると言えます。

 

おわりに

今回は、ニロ抜き短音階を使った和風曲の作り方について記事を書きました。

和風な雰囲気を表現する方法はいくつかありますが、メロディを工夫する方法が一番「和」の雰囲気を出せると思います。

和風らしい曲を作る際に、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

また、ニロ抜き音階は、和風曲に限らず日本のポップス音楽のいたるところで見ることができます。

和風曲を作らなくても、今回紹介した音階を意識すれば、音楽における「日本らしさ」の新しい発見につながるのではないでしょうか?

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

2019年秋M3を終えて(CDの裏話、今後の話など)

どうも、中パンダです。 

先日10月27日に、東京流通センターでM3が開催されました。

当日参加された方々の中には、両手に抱えきれないほどのCDを戦利品として持ち帰り、今まさにそれらを堪能している方もいるかと思います。

自分もサークル参加という形で参加してきたわけですが、基本的にブースにいたので他サークルのCDはあまり買えませんでした(汗)

 

さて、この記事ではそんなM3のCD制作の裏話的なものと、今後の活動の話について少し書こうと思います。

 

CD制作の話

この日に向けて新譜を制作してきたわけですが、構想自体は5thアルバムを作り始めた直後から練っていました。

今回発表した新譜「Trail For Revival」は、悲劇からの復活というテーマで制作を開始しました。

この悲劇とは、前作の「Alive Past Tragedy」のことを指しており、今回のCDはその続編という位置づけになります。

 

また、今回は初めてボカロ曲を収録しました。

昨年のコミケC94が終わった後、こちらの記事ボーカル曲に挑戦する(いわゆる歌ものってやつです)と宣言しましたが、今回の新譜でそれを達成したことになります。

高校時代、定期テストで現代文が毎回赤点になっていたくらい国語が苦手だったので、正直作詞にはとんでもなく苦労しました(汗)

新譜を作るまでの1年弱の間、作詞の本を買って勉強したり、既存のJ-POPやらボカロ曲やらの歌詞を書き出して研究してみたり、知人のボカロPに作詞方法を聞いてみたり・・・

経験値を稼ぐために、深夜の2時間DTMでも作詞をしてみたりもしました。

最終的に3曲のボカロ曲を収録することができて、今"やりきった感"に浸っております。(笑)

 

今後の活動の話

曲制作について

今作以降、インスト曲から徐々に脱却して、ボーカル曲にシフトしていくつもりです。

実は、1stアルバムを発表して初めてコミケでCDを頒布した時から、CDを試聴してくださる方に「ボーカルは無いんですか?」と言われることが多々ありました。

これまでは、「作詞力やボカロ調声力がない」という理由でずっと避けていましたが、イベント参加を重ねるごとに少しずつ気持ちが変わっていきました。

そして、5thアルバムを一つの区切りにして、思い切って転換することにしました。

そんなわけで、次回作もボーカル入りの曲を作っていくつもりです!(インスト曲も作らないわけではないですが)

 

曲の公開について

今までは、CDに収録した曲は一切公開していませんでしたが、今後はCDが完売したアルバムを中心に、随時ネット上に公開していこうと考えています。

 

これについては、以前から「既に完売したCDをいつまでも温めておく必要があるのだろうか?」という疑問を抱いていました。

完売してもネット販売という形でアルバムを聴いてもらえる機会はありますが、現状まだまだ即売会の方が多く聴いてもらえています。

なので、CDが完売したネット販売のみのアルバムは、誰かに聴かれる機会が極めて少なくなります。

また、昨今のネット社会においては「まずは存在を知られることが大事」と言われています。

どれだけいい作品を作っても、そもそも曲の存在が知られていなければ意味がありません。

そのため、同人活動の主力は最新作に託して、過去作品は活動広報も兼ねてネット上に公開していくことにしました。

 

ただ、CDの曲を公開しても"ドネーションアルバム"という立ち位置でDL販売は継続します。

基本的に無料で聴けるけど、もし曲を気に入ってくれて、当サークルの活動を応援してくれる人がいたら、任意で買っていただきたいな…」という感じです。

 

おわりに

こんな感じで、今後とも中パンダ、およびPND音楽館の活動をよろしくお願い致します!

次回は11/23-24にAPPOLO 10、12/8に大阪難波で音けっとにサークル参加します。

また次回のイベントにてお会いしましょう!

 

ではではノシ