中パンダイアリー

作曲のTIPS、日々の活動など色々書いていきます。同人音楽・音楽配信等の情報もこちらに書いていきます。

【自作曲解説】ブルーノートスケールを使って大人びた雰囲気にする

どうも、中パンダです。

 

今回は、大人びた感じの曲を作るのに役立つスケールの話とその使い方の例について、自作曲を用いて解説したいと思います!

解説に使うのは、深夜の2時間DTMで作ったこちらの曲です。

2021/7/18追記:Audiostockでも配信しています。もしよろしければ、こちらも聞いてみてもらえればと思います。

 

こちらの曲を使って記事を書いていきます! 

 

スケールについて

今回の曲では、ブルーノートスケールを使ってメロディを作っています。

ブルーノートスケールはジャズやブルースなどでよく使われるスケールで、メジャーペンタトニックスケールに♭Ⅲを加えたものと、マイナーペンタトニックスケールに♭Ⅴの音を加えたものの2種類あります。

補足:構成音について

  • メジャーペンタトニックスケール:Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅴ,Ⅵ
  • マイナーペンタトニックスケール:Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅶ

ペンタトニックスケールに加えられた上記の音をブルーノートと呼び、スケールのキーとなる音となります。

 

f:id:whitepanda924:20190925205308p:plain

Cメジャーブルーノートスケール(C, D, E♭, E, G, A)

 

f:id:whitepanda924:20190925205318p:plain

 Cマイナーブルーノートスケール(C, E♭, F, G♭, G, B♭)

メジャー・マイナーどちらの場合もブルージーでけだるい感じの雰囲気を持っており、西洋音楽にはない独特なスケールとなります。

さらに、このけだるい感じをうまく使えば大人びた雰囲気を演出することも可能です。

 

使用例

メロディ

f:id:whitepanda924:20190925214046p:plain

メロディ(最初~41秒付近)

 

f:id:whitepanda924:20190926000051p:plain

メロディ(42秒~)

今回の例では、16分音符の裏でシャッフルさせているので、メロディもそれに合わせて裏伯を若干後ろにずらしています。

使っているのはCマイナーブルーノートスケールで、基本的にF→G♭→Fと下からしゃくる感じでブルーノートを混ぜています。(サビの一部でG→G♭→Gもあり)

ピアノロール上には反映されていませんが、42秒~のパートではピッチベンドを使ってブルーノートを表現する場所があります。

 

f:id:whitepanda924:20190926000920p:plain

そのほか、この曲では使っていませんが、上の画像のようにブルーノートを非常に短い音符で打ち込んで直後の音と一体で鳴らす、という使い方もされます。

ブルーノート単体で鳴らすと癖が強すぎるので、このようにさりげなく混ぜることで癖の強さを緩和しています。

 

コード進行

ぶっちゃけて言えば、ポピュラー音楽においてはどんなコード進行にでもブルーノートは使えます。

ただし、ブルースを作る場合は「基本3和音のカデンツでもドミナントセブンスにする」といった制約が生じます。(例:基本…Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ、ブルース…Ⅰ7→Ⅳ7→Ⅴ7→Ⅰ7)

これは、ブルースにおいてはドミナントセブンスの7thの音(特にⅣ7の7th)がブルーノートとして機能しているためです。

ちなみに、先ほど説明したメジャーの♭Ⅲやマイナーの♭Ⅴは、Ⅳ7(サブドミナント)の7thの音から来ています。

今回は洒落た感じを出したかったので、セブンスコードを基本としてA♭M7→G7→Cm(42秒以降はA♭M7→G7→Cm→E♭M7)というコード進行を使いました。

 

f:id:whitepanda924:20190926005410p:plain

コード進行(最初~41秒付近)

G7のところで一時的にスケールアウトします。

 

使用頻度について

今回の例では最初~41秒付近では4小節ごとに1音程度、42秒以降は2小節ごとに1音程度と、ブルーノートの使用頻度はあまり高くありません。

しかし、大人びた雰囲気は十分出ているかと思います。

ブルーノートは、通常のメジャースケールやマイナースケールには含まれない音なので、ものすごく特徴的で目立ちます。

そのため、この音が鳴らされた瞬間に曲の雰囲気がブルーノートっぽさに一瞬で染まってしまいます。

ですので、Aメロ、Bメロ、サビといったパート全体で1,2回程度の出現率でも、曲の雰囲気を司るには十分です。

使い過ぎると大変なことが起きます。

 

【注意】使い過ぎると・・・

ブルーノートスケールには一つだけ注意点があります。

それは、ブルーノートを使い過ぎると「大人びた雰囲気」が強調され過ぎて、やらしい感じになってしまうという点です。

 

whitepanda924.hatenablog.com

 

ブルーノートを1音混ぜるだけでも大人びた感じを十分出せるので、調子に乗って使い過ぎないようにしましょう(笑)

 

おわりに

今回は、ブルーノートスケールを使って曲を大人びた雰囲気にする方法ついて記事を書きました。

ブルーノートは程よく使うと曲全体にけだるい感じを与え、大人びた雰囲気を与えることができます。

しかし、使い過ぎると大変なことになるので、混ぜすぎ注意です!

適度にブルーノートを混ぜ、大人びた雰囲気を演出しましょう!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

【自作曲解説】奇抜なコード進行でギャルゲー(っぽい?)雰囲気にする(Vsus4→V→IVsus4→IV)

どうも、中パンダです。

 

1年半以上前の話になりますが、とある回の深夜の2時間DTMにて、コード進行を指定するというお題がありました。

コード進行縛りのお題はさほど珍しくなく、ちょくちょく見かけます。

しかし、この回のコード進行は実に奇妙なものでした。

それは

 

 

Vsus4→V→IVsus4→IV

 

なんだこのコード進行は・・・??

 

正直、初めて見ました。このコード進行。

そして、使い方が全く分かりません。

 

しかし、無理やりにでも必ずこのコード進行を使い、しかも2時間で完成させなければなりません。

鍵盤を弾いたり鼻歌を歌ったり、ピアノロールにちょっと打ち込んでみたりと、ありとあらゆる手を使ってアイデアをひねり出した結果・・・

 

できた曲がこちらになります!

 

・・・自分で作っておいてアレですが、ギャルゲーのタイトルに合いそうな曲に聞こえるのは自分だけでしょうか・・・?(汗)

 

今回はこちらの曲を用いて、コード進行の特徴と自分がどのように使ったかについて記事を書いていきます。

※今回の解説のメインは、最初~41秒までになります。

 

音楽理論的解析

このコード進行はピアノロールに打ち込むとこうなります。

 

f:id:whitepanda924:20190918232337p:plain

Gsus4→G→Fsus4→F(Cメジャースケールの場合)

 

コード機能について

コードの機能を考えると、Ⅴはドミナント(D)、Ⅳはサブドミナント(SD)となります。

sus4はひとまず置いておくとして、このコード進行にはD→SDの流れが含まれていることになります。

 

sus4について

sus4は「Suspended Forth Chord」の略称で、「吊るされた4度」もしくは「浮遊した4度」という意味があります。(個人的には「浮遊した~」という訳がしっくりきます)

曲中でよく使われるC, Dm, Fなどはスリーコードとよばれ、1,3,5度の音で構成されています。

sus4は、これらのコードの3度の音を"上に浮かばせ"、4度としたコードになります。

そのため、sus4は浮遊感のある独特な響きになります。

もともと3度だった音を浮上させたので、浮上された4度は半音一つ下の長3度に進みたがります。

そのため、Xsus4→X(XにはⅠ~Ⅶのいずれかのコードが入る)というコード進行がよく用いられます。

 

f:id:whitepanda924:20190918232422p:plain

Xsus4→Xのコード進行

 

コード進行の特徴について

本題のコード進行にはXsus4→Xの流れが2回連続で出ており、しかも構成音が半音ずつ下がっていることが分かります。

普段よく使われるメジャースケールやマイナースケールでは、構成音が4回連続で半音になることはありません。

つまり、コード進行のどこかでスケールアウトします。(部分転調するとも解釈できます)

このコード進行の場合は3番目のⅣsus4のときに該当します。

公式ツイートにもあるように、Cメジャースケールでこのコード進行を使う場合はGsus4→G→Fsus4→Fとなり、Fsus4で部分転調が発生します。

 

ここで厄介なのは、「どこに転調するとみなすか」です。

なぜなら、Fsus4の構成音はF,Bb,Cで、この音が含まれるスケールとそのときのFsus4の度数は

  • Fメジャースケール(Ⅰsus4)
  • Bbメジャースケール(Ⅴsus4)
  • Ebメジャースケール(Ⅱsus4)
  • Abメジャースケール(Ⅵsus4)
  • Dbメジャースケール(Ⅲsus4)

の5つもあり、転調できるスケールの数が多いからです。(簡単化のためメジャースケールのみ列挙)

そのため、作る曲に応じて転調先を考えなくてはなりません。

今回はFsus4→Fの範囲で部分転調が発生したと考えて、半音5つ上のFメジャースケールに転調することにしました。(後で全体のキーを5つ上げたので、Fメジャー→Bbメジャーの部分転調になります)

 

曲に組み込む

コード進行の構築

さて、転調先が決まれば次は前後につくコード進行を考える必要があります。

先ほども述べた通り、今回使うコード進行はD→SDの流れを含んでいるので、前後にトニック(T)などを追加していきます。

ここで自分は、Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅰというコード進行に組み込むことにしました。

Ⅴ→Ⅳの部分に着目すると、お題となるコード進行と構造が一緒であることが分かります。

そして、よく使われているXsus4→Xの流れを2回連続で組み込むとⅤsus4→Ⅴ→Ⅳsus4→Ⅳという流れが出来上がり、最終的にⅥm→Ⅴsus4→Ⅴ→Ⅳsus4→Ⅳ→Ⅰというコード進行が完成します。

今回はFメジャースケール(Dマイナーとも解釈可能)で作っているので、コード進行は

| Dm | Csus4 C | Bbsus4 Bb | F C | となります。(最後のCはおまけ)

 

メロディの工夫

Bbsus4→BbでBbメジャースケールに部分転調しているので、 Bbメジャースケールに含まれる音を使ってメロディを作ります。

 

f:id:whitepanda924:20190918234101p:plain

今回の例ではEbの音を使い、Bbメジャースケールに転調したことを聞き手に意識させています。

 

おわりに

今回は、普段あまり見受けられないコード進行を音楽的に解析し、自分がどのように曲で使ったかについて記事を書きました。

深夜の2時間DTMでは、このように普段あまり使わないコード進行がお題として挙がることもあります。

そのたびに、「こんなコード進行もあるのか」ととても新鮮な気分になり、作曲の幅が広がったように感じます。

とはいっても、やはり2時間で作りきるのは限界があるので、別の曲でもこういった奇抜なコード進行を使ってみようと思います!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

「続きが思いつかなくて完成しない」を防ぐ作曲術

どうも、中パンダです。

 

作曲をしている人が少なからず直面する問題の一つに、「とりあえずサビだけ(イントロだけ・サビとAメロだけ etc)作ったけど、それ以外の部分が思いつかない」というものがあります。

自分の場合、1年間でおよそ80個のプロジェクトファイルが生成されますが、その中で完成まで持っていけるものは、以前は1割くらいしかありませんでした。(今は5割くらい)

ほとんどのプロジェクトファイルは、一部分のみ作ったあと先が思いつかず、そのまま終わりになってしまいます。

今回は、そういった「先が思いつかない」を少しでも防げるような作曲のコツについて、自分なりのやり方ですが記事にしたいと思います!

(少なくともこのやり方で作曲した場合については、全て最後まで作りきることができました)

 

作曲時のポイント

まず作曲時に心掛けるべきポイントですが、

 

作曲と編曲を一緒にしない

 

に尽きます。

具体的には、次に示すやり方で作曲と編曲の同時進行を防ぎます。

 

0から作る場合

まず、メロディとベース(もしくは伴奏)のみで構成されたトラックを1つ作ります。

そして、編曲は一切せず、イントロからAメロ・Bメロ・サビ・(場合によっては間奏・エンディングも)に至るまで一気に作ってしまいます。(さらに言うならば、サビから作った方が良い(後述))

 

f:id:whitepanda924:20190909173618p:plain

f:id:whitepanda924:20190909173645p:plain

メロディとベースを1トラックに(作成例)

こうすることで、作曲の工程を完全に終わらせてしまいます。

 

【理由1】勘が取り戻せない

DTMの場合は"作曲だけ終わらせて完成"というケースは稀で、編曲までやって初めて完成とするのがほとんどかと思います。

作曲と編曲は似ているという方もいますが、全く違う別の工程で、求められるものも違います。

あくまで自分の考え方ですが、作曲と編曲には次のような違いがあります。

  • 作曲:メロディ(+コード)を作る。ひらめきが必要
  • 編曲:メロディに対して雰囲気付けをする。音楽的知識・経験が必要

 

「続きを作る」という作業は作曲にあたります。そのためには少なからず「思いつき」が必要になり、メロディの感覚が研ぎ澄まされている必要があります。

しかし、ひとたび編曲に移ってしまうとこのセンスが鈍くなってしまいます。

そのため、ひらめきを作曲ほど必要としない編曲の後に、再び作曲に戻ろうとしてもなかなか勘を取り戻しにくく、結果として「続きが思いつかない」という事態が発生します。

メロディだけでも最後まで作り切り、思いつきが必要な工程を完了させてしまえば、あとは知識・経験に基づいて編曲するだけなので、曲も完成しやすくなります。

 

【理由2】イメージが固定化

歌ものの場合、Aメロ・Bメロ・サビといったパート毎に別々の雰囲気を持たせることが多いですが、その雰囲気を支配する中心的な役割を果たすのはメロディであり、作曲が重要になります。

曲の続きが思いつかない原因の一つとして、既に作ったパートのイメージから抜け出せないというものがあります。

作曲の段階ではまだメロディとベース(伴奏)だけですが、編曲までしてしまうと曲のイメージがより強力に固定化されてしまい、続きが思いつきにくくなってしまいます。(曲の初めから終わりまで、編曲を含めて頭の中で完璧にイメージできていれば別ですが)

そのため、メロディとベースのみのシンプルな構成で曲をとらえることでイメージの固定化を防ぎ、続きが思いつき易くなります。

 

途中で編曲してしまった場合

もし、作曲が終わる前に一部分でも編曲してしまった場合、メロディとベースのみのトラックを別で作り、編曲で作ったトラックを全てミュートします。

 

f:id:whitepanda924:20190909203415p:plain

こうすることで、固定化されたイメージに囚われにくくなります。

(万が一超絶お気に入りの編曲ができてしまい、「あぁ^~最高^~」と編曲した部分を何十回も聴き込んでしまった場合は、なかなかイメージがぬぐえない可能性があります)

 

作曲順序の工夫

作曲を始める際は、サビからスタートすることをお勧めします。

サビは曲中で最も重要な部分であるがゆえに、最もエネルギーを費やすべき部分でもあります。

個人差はありますが、作曲のモチベーションは曲を作り始めた直後が最高であることが多く、ひらめきもその時が一番起こりやすいです。

しかし、時間と共にモチベーションは低下していきます。

自分が一番ホットな状態でサビを作ることで、モチベーション低下の弊害を受けることなく最高のサビを作ることができます。

 

その後は、自分の場合イントロを作ります。

イントロは曲のテーマや雰囲気を決める重要な部分なので、サビと同様に作る時はエネルギーを費やします。

 

この2か所さえ作ってしまえば、あとの部分(Aメロ・Bメロ・間奏 etc)はさほどモチベーションが無くても作ることができます。

むしろ、サビやイントロと対比させるために淡々としたメロディにすることが多く、作曲熱が冷めていた方が作り易いです。

 

思いつかなくなったら

どうしても続きが思いつかない場合、音楽理論や知識などを使って"機械的"メロディを作ります。

そのとき、ある程度の制約を設けることで、出来上がった時に違和感が少なくなるようにします。

 

譜割を制限する

メロディが一部(サビとAメロ・サビとイントロ etc)出来ている場合、一度メロディの譜割を書き出します。

そして、既にできている部分とは違う譜割でメロディを考えます。

例えば、Aメロとサビが出来ており、共に8分音符中心でメロディを作っている場合、Bメロのメロディは

  • より細かい譜割にする(16分音符中心で考える)
  • 逆に大きな譜割にする(4分音符中心で考える)

などが考えられます。 

 

音域を制限する

曲中ではサビの音程が一番高くなることが多いです。

そのため、例えば「サビは既に出来ているがAメロ・Bメロが思いつかない」といった場合は、サビの最高音を超えないように音域を制限して作曲します。

また、各パートにおける最高音と最低音の幅(音域)にも気を配ります。

  • 音域広い:感情的、ドラマチックな印象
  • 音域狭い:落ち着いた印象

自分の場合、サビはドラマチックな雰囲気にしたい時が多いので、サビではメロディの音域を広めに(1オクターブ半~2オクターブくらい)、それ以外の部分はサビとの対比のために音域を狭めに(完全5度~1オクターブくらい)作ることが多いです。

 

変わった音階を使う

普段使わない音階を使うと、メロディが思いつく場合があります。

特にペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階・ニロ抜き音階)は、日本人にとって親しみやすい音階なので、この音階を使うだけでキャッチーなメロディになったりします。(笑)

その他、ドリアンスケールやフリジアンスケール、アラビア音階などを使うのもよいかと思います。

 

whitepanda924.hatenablog.com

ドリアンスケールの例

 

whitepanda924.hatenablog.com

フリジアンスケールの例

 

コード進行を先に作る

よく使われるコード進行をまだメロディができていない部分に置き、コードの構成音を使ってメロディを作ると、それらしくハマる可能性が高くなります。

よく使われるコード進行(Cメジャースケールの時)はおよそ次の通りです。

  • JPOP風
    • Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅰ | Ⅳ | Ⅴ(カノン進行)
    • Ⅳ | Ⅴ | Ⅲm | Ⅵm(王道進行)(類似パターン:Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm , Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | )
    • Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅰ(小室進行)
    • Ⅵm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ(類似パターン:Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ)
    • Ⅰ | Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ
  • 洋楽風
    • Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅳ レットイットビー進行(順番違い:Ⅵm | Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ, Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm)
    • Ⅵm | Ⅰ | Ⅴ | Ⅳ(順番違い:Ⅵm | Ⅰ | Ⅳ | Ⅴ)

 

JPOP風の場合、特に上3つのどれかを使うとそれらしい雰囲気になりやすいです。

また、既に出来ている部分からの勢いでメロディが思いつく場合があります。(メロディを作った後にコードを変更するやり方もあります)

 

出来ているところから順に編曲する(非推奨)

先ほども書きましたが、このやり方はイメージが固定化されるためお勧めしません

しかし、どうしても思いつかない場合、編曲した時の勢いで続きのメロディが思いつく可能性があります。(自分はほとんどありませんが(汗))

 

おまけ(音楽以外の対策)

締切を作る

人は追いつめられると、それまでとは想像できないほどの高いパフォーマンスを発揮します。(いわゆる火事場の馬鹿力)

このことを利用し、積極的に自分を追い込むことで無理やり曲を完成まで持っていきます。

その一つが、自ら締切を作ることです。

作曲の依頼を受ける場合や、公募に曲を出すといった場合、必ず締切が存在するので、そういったものに積極的に参加してみましょう。

ほぼ確実に曲が完成します(笑) 意地で完成させます(笑)

また、好きな人(推しキャラ)への誕生日ソングを作るのもありです。

誕生日は1年で1日しかないため、その日までに完成しなければ1年間待たなければなりません。

自分の好きな相手であれば「何としてでも作ってやろう」という強い意志が働くでしょうから、こちらも曲の完成まで持っていけます。

 

気分転換する

どうしても思いつかなくて煮詰まってしまった場合は、一旦DAWを閉じて気分転換をするのもありです。

体を動かしてみたり、食事に出かけたり、別の趣味をしてみたり、旅に出てみたり、布団に入ったり・・・

気分転換の最中に、ふと続きが思いつくかもしれません。

 

諦める

それでも続きが思いつかない場合、潔く諦めましょう

「最高の1曲が出来そうだから諦めたくない」という方もいます(自分もそうでした)が、数週間くらい経ってからその作りかけの曲を聴くと、案外「大したことないな」となります。

1曲に長く時間をかけるより、同じ時間でもっといろんな曲を作った方が経験値を稼げます。

 

おわりに

ここまで「続きが思いつかない」という事態にどう対処するか、自分の考え得る範囲の内容を書いてきました。

あくまで自分なりのやり方なので、読者の方々にも有効かどうかは正直わかりません。

しかし、もしこれらのやり方が有効であるなら、作曲のかなり大きな手助けになると思います。

少しでも参考になれば幸いです!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

DAWで耳コピするときに役立つツール&使用のコツ

どうも、中パンダです。

 

ここ数日、打ち込みの力を伸ばすために既存曲の耳コピをしています。

耳コピは作曲・編曲スキルを伸ばすのに最適ですが、DTMを始めたばかりの頃はメロディを聞き取るだけでも苦労します。

また、それなりに作曲経験を積んでいても、楽器数が多い曲や音圧が高い曲は個々の楽器を聞き取るのが難しいことがあります。

今回は、耳コピをする際に手助けになるツールと、使い方のコツについて、自分なりの方法ですが紹介したいと思います!

 

この記事では前提として、DAW上に耳コピしたい曲のデータを読み込み、耳コピしたフレーズをMIDIに打ち込んでいくものします。

 

 

楽器(MIDIキーボード等)

楽器があれば、聴いたメロディと実際の音の違いを埋め、音程の感覚を養いやすくなります。

聴き取ったメロディなどを一度楽器で弾いて確認し、音程が正しいかどうかチェックします。手順としては、

  1. 聞き取ったメロディを弾く
  2. 弾いた音の音名を把握し、ピアノロールに打ち込み
  3. 原曲と照合
  4. 修正(以降、1~4を繰り返し)

となります。

最初は正しい音程を一音当てるだけでも苦労するかもしれませんが、回数をこなすと徐々に音感がついてきて、耳コピスピードが上がってきます。

パソコンにつないでMIDIデータのやり取りができるなら、リアルタイム入力を使ってささっとコピーすることもできます。

 

テンポ変更

ドラムの細かいフィルインやアドリブ演奏の細かいフレーズなど、鳴っている時間が非常に短い音を聞き取るときに役立ちます。

方法は使用しているDAWによりますが、Cubaseの場合、まず読み込んだ曲データをサンプルエディターで開き、ミュージカルモードのボタンを点灯させます。

 

f:id:whitepanda924:20190831110537p:plain

f:id:whitepanda924:20190831110556p:plain

その後、プロジェクト画面に戻ってミュージカル/リニアの項目を点灯させます。(最初から点灯している場合が多いですが)

 

f:id:whitepanda924:20190831110706p:plain

こうすることで、DAW側でテンポ変更をしたときに取り込んだ波形データも自動的に伸縮して、DAWのテンポに合わせてくれます。

(再生位置がずれる場合は、その都度位置の修正が必要になります)

 

EQ/フィルター

f:id:whitepanda924:20190831022640p:plain

コピーしたい楽器パートが聴き取れない時、楽器の特性に合わせてEQ/フィルターをかけると、そのフレーズが聞き取りやすくなります。

以下に、聞き取るパートごとの主な設定例を書いていきます。

 

バスドラム

EDM系は50~60Hz付近(ドラムンベースは120Hzのものもある)、ロック/バラード系は80~100Hz付近をEQでブーストし、それ以外をカットすると、バスドラムが聞こえやすくなります。

 

f:id:whitepanda924:20190901172325p:plain

ヘヴィメタルのような激しいジャンルでは、低音に加えて6k~10kHz辺りをブーストすると聞き取れる場合があります。

これは、この辺りの帯域にバスドラのビーター音(バスドラの皮をベチベチ叩く音)が含まれるためです。

この方法により、低音部分だけではフレーズの切れ目がわからない速いフレーズでも、比較的聞き取りやすくなります。

 

スネア

目立つ音色なのでバスドラほど聞き取りにくくはないですが、音圧が高いと聞き取るのに苦労するかもしれません。

また、EDMではスネアがバスドラに埋もれて聞き取りにくい曲が多いです。

 

この場合は200Hz付近をブーストし、それ以外をカットします。

 

f:id:whitepanda924:20190831022258p:plain

曲中において、スネアは2拍目と4拍目に入っている確率が極めて高いので、EQを設定したときにこのタイミングでポコポコ鳴っていれば、それがスネアになります。

あとは、2拍目と4拍目以外にスネアが入っていないか耳を澄ませましょう。

 

もし聞き取れない場合、ブーストする帯域を上にずらし、500Hz付近まで上げると聞き取れる場合があります。(ハンドクラップ系で有効)

 

ベース

120~200Hzあたりをブースト&それ以外をカットすると、聴きやすくなります。

 

f:id:whitepanda924:20190901173152p:plain

生楽器系のベースを使っている場合、2k~8kHz辺りをブーストすると弦をはじく音が聞き取れる場合があります。

こちらは、ベースがトリッキーなフレーズを弾いていて、音の切れ目が分かりずらい時なんかに使えると思います。

 

ギター

200~300Hz付近(ギターの胴鳴り部分)と4kHz付近を同時にブーストし、それ以外の帯域を削ります。すると、ギターの響きが浮かび上がってきます。

 

f:id:whitepanda924:20190831022420p:plain

和音(特にギターのコード)は慣れていないと聞き取るのが難しいです。(セブンスコードなどは特に)

聴き取れない時は、とりあえず3和音の簡単なものと仮定して打ち込み、耳コピを先に進めましょう。

コードの響きは、何回も聞くと響き自体を覚えるようになるので、次回以降の耳コピでは打ち込みやすくなります。

 

ハイハット系(シンバル含む)

8k~10kHz辺りをブーストし、それ以外をカットすると聞き取りやすくなります。

 

f:id:whitepanda924:20190901172524p:plain

EDMではハイハットとは別にホワイトノイズなどが入っていて、帯域が被って聞き取りにくいことがあります。

その場合は、ブーストする帯域を少し下にずらし、5k~7kHzに設定します。

ハイハットでも意外と低い帯域まで音は含まれているので、この帯域をブーストすることでハイハットが聞き取れる場合があります。

 

その他(効果音など)

Qを絞って特定帯域のみブーストし、耳コピしたいパートのみ音量が大きくなる周波数帯を探します。

あとはそれをコピーします。

 

ステレオ/モノラル切替

f:id:whitepanda924:20190901174428p:plain

上物など、左右に定位が散らばっていてフレーズが聴き取りにくものは、Stereo Enhancerなどを使ってモノラル音源に変えてみましょう。

そうすることで、ステレオよりも聞き取りやすくなることがあります。

(なおさら聞き取りにくくなる場合は、逆にステレオ感を広げるのもありです)

 

MS処理プラグイン

L・Rで表現されるオーディオデータをMidとSideに分ける作業ですが、耳コピでそんなことするような方はほとんどいないんじゃないでしょうか?(笑)

 

ただ、MS処理とはいってもMidの音量を0にしてSideだけが鳴っている状態にするだけです。

そうすることで、Midにかき消されていたSideの音が驚くほど鮮明に聴き取れます。(メロディのハモリのパートが聞こえたりもします)

この作業はプラグインを使えば一瞬でできます。

 

WAVES Center

www.minet.jp

MidとSideの音量を個別に調節できます。WAVESバンドルのGrand Masters Collection, Horizon, Diamond, Mercuryにも収録されています。

 

Blue Cat's Gain Suite

www.bluecataudio.com

 

先ほどのプラグインと機能は似ていますが、こちらはフリープラグインになります。

64bit版があるので、32bit非対応のCubase Pro 10でも使えます。

 

終わりに

今回は、DAWを使って耳コピするときに役立つツールと、その使い方について書きました。

ツールを使うと比較的簡単にフレーズがコピーできますが、それでも完全にコピーしきるのは難しいです。

そのため、ある程度コピーしたらその先のパートに進むことも重要です。

作曲は音楽理論などの知識以上に経験がものを言います。

ある箇所を完全にコピーしようとしてずっと立ち止まっているより、クオリティはそこそこにして耳コピする数を増やした方が、経験値を得やすいです。

この記事で紹介したツール&コツを使って耳コピにかかる時間を短縮し、より多くの曲がコピーできるようになることを願っています。

とりあえず1曲耳コピを完成させて、次の曲を耳コピしましょう!

 

というわけで、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

DTM環境にトラックボールマウスを導入してみた

どうも、中パンダです。

数日前の話ですが、自分が普段DTMをやっている環境にトラックボールマウスを導入しました!

DTMはマウス操作がかなり多いので、トラックボールマウスを導入することで作業がスムーズになると思われます。

今回は、自分がどんな基準でトラックボールマウスを選んだか、導入した後に感じたメリット・デメリットについて記事を書いていきたいと思います!

 

 

選び方

自分との相性

通常のマウスと操作が違うためか、トラックボールマウスに関しては、機種によって自分に合う・合わないの差がよりはっきりと出るように感じました。

そのため、買う前に実物を触ってから選ぶことをお勧めします。

口コミなどで評価が高いマウスでも、操作感がいまいち気に入らなかったり、手の大きさに合わなかったり、指を動かすときの癖とボールの配置がかみ合っていなかったりと、いろいろな要因で「イメージと違った」という感想を抱くことがあります。

自分は最終的にはネットで買いましたが、買う前に一度家電量販店で実物を体験操作してみて、そこで自分に合いそうなマウスに目星をつけていました。

トラックボールマウスは安くて2000円くらいから、上は10000円を超えるものまで様々で、パソコン機材の中ではさほど値段のかかるものではありません。(マウスにしては高いかもしれませんが…)

しかし、どうせ買うのなら自分と長く付き合える商品を買いたいものです。

実物を触らずに買って、「やっぱりなんか微妙」となってそのまま使わず仕舞いになってしまってはもったいないので、まずは実物を触ってから決めましょう。

 

ボールの位置

トラックボールマウスは、ボールの位置によって大きく2種類に分けられます。

 

親指の位置にボールがある

f:id:whitepanda924:20190807001046p:plain

出典:logicool.co.jp

通常のマウスの親指の位置にボールが組み込まれているタイプです。

ボールは親指で操作することになり、操作感は通常のマウスとほとんど変わりません。

そのため、普段トラックボールマウスを使ったことがない人でも馴染みやすいです。

ただ自分の場合、ボール操作で親指を前後左右に動かすのが気に入らない(+親指を痛めそうだ)と感じたため、今回は選びませんでした。

 

人差し指の位置にボールがある

f:id:whitepanda924:20190807001901j:plain

出典:kensington.com

通常のマウスとは全く形状が異なります。一枚のプレートの上にボールがのっかっており、人差し指(もしくは中指・薬指)を使って操作するタイプです。

一部、手のひら全体を使ってボールを操作できるタイプもあります。

親指を使って操作するタイプと比べて、指にかかる負荷が小さいです。

また、このタイプの機種は左右対称で作られているものが多いので、利き手に関係なく使えます。

ただ、操作感が通常のマウスと全く違うので、操作に慣れるまで時間がかかります。

 

今回の買い物では、こちらのタイプを買いました。

まあ、操作は慣れればいいだけなので(汗)

 

反応性

機種によっては、ボールが窪みにハマっているだけで固定されていないものもあります。

ただこちらは、ボールを転がすときにボールがガタついて、画面内のカーソルがブレることもしばしばありました。

DTMでは細かい操作が何かと多いので、この辺りも注意して選びました。

 

ボタンの数など

左・右クリック以外のボタンの数です。

数が多いと、いろいろな操作(ダブルクリック・ホームページの進む・戻るetc)をマウスだけでこなすことができます。

個人的には、スクロールバーを動かすためのスクロールホイールがついていると便利だと思います。

 

以上のことを踏まえて、今回はケンジントン Orbit Trackball with Scroll Ring KT-2337 という機種を買いました。

 

www.kensington.com

 

 

導入の様子。ついでに、後付けのキーボードスライダーも買って環境を整えました。

 

f:id:whitepanda924:20190806120059j:plain

マウス周辺詳細 

 

導入してみて分かったこと

メリット

場所を取らない

通常のマウスは本体そのものを手で持って動かすため、ある程度のスペースが必要でした。

しかし、トラックボールマウスは手の指だけで操作するので、マウス本体分のスペースが確保できれば十分です。

 

腕が疲れにくい

通常のマウスでは、腕全体を持ち上げてマウス操作していたため疲れやすく、肩こりなどがひどくなることがよくありました。

しかし、トラックボールマウスの場合腕をほとんど動かさないので、長時間の作業でもあまり疲れを感じずに作業することができます。

 

慣性でマウス操作できる

通常のマウスだと、本体を思いっきり滑らすとマウス(物理)が飛んでいきます。

しかしトラックボールの場合、ボールを思いっきり転がすと慣性でボールが回り続け、カーソルが画面の端の方まで飛んでいってくれます。

(ボールに傷がつくので、あまり乱暴な使い方はお勧めできませんが…)

 

曲線操作がしやすい

DTMでは特に、オートメーションを書くときに威力を発揮します。

通常のマウスとは違いボールを転がすだけなので、より滑らかなカーソル移動が可能になります。

そのため、角ついた線ではなく、滑らかな曲線のオートメーションを簡単に書くことができます。

よく「オートメーションはペンタブで書く」という方をちらほら見かけますが、このマウスがあればそんな必要は無さそうです。

 

デメリット

慣れが必要

記事の前半にも書きましたが、通常のマウスと操作が全く異なるとだけあって、導入した直後は操作が難しく感じました。

この辺りは個人差はあるものの、慣れるまでしばらく時間がかかりそうな印象です。

 

定期的にメンテナンスが必要

他の記事でも言及されていますが、トラックボールマウスをしばらく使っていると、ボールと溝の間に埃がたまったり、ボールに汚れがついたりして、反応が悪くなることがあります。

なので、時々ボールを磨いたり埃を取ったりといったメンテナンス作業が必要になります。(あまり頻繁にやらなくてもいいらしいですが)

 

細かい操作が難しい

指先だけでマウス操作をしている分、通常のマウスより手ぶれの影響が出やすいように感じました。

また、クリックしたときに指がボールに触れていると、ボールが一緒に動いてしまい、カーソルがずれることがあります。そのため、クリックするたびにボールから指を離さなければなりません。

自分の場合、ピアノロール上でノートの打ち込みやベロシティ調整などのとても細かい作業を行うことが多いですが、ノートをクリックしようとしたらカーソルがずれてクリックできなかったり、ベロシティ調整したいノートとは違うノートのベロシティを弄ってしまったり、(少なくともボール操作に慣れていないうちは)作業がしにくいように感じました。

 

こういうこともあって、しばらくはトラックボールマウスと通常マウスを併用するつもりです。(USBポートに空きがあれば、複数マウス差せますし)

 

おわりに

今回は、DTM環境にトラックボールマウスを導入してみたという記事を書きました。

トラックボールマウスは操作感が通常のマウスと全く違うため、一言で言うと「慣れが必要」という結論に至りました。

ただ、うまく使いこなすことができれば、長時間の作業でも体にかかる負荷を軽減できるので、しばらく使い込んで慣れていきたいと思います!

DTMをされている方の中には、トラックボールマウスを検討されている方もいるかと思いますが、導入するときの参考になれば幸いです!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。 

 

ではではノシ

 

Cubase Pro 10でBPM172800を再現してみた

どうも、中パンダです。

 

初めに断っておくと、今回の記事はネタ要素多めになります…

軽い感じで読んでいただけると嬉しいです

今回は、Cubase Pro 10で再現できるBPMの限界と、その時何が起こっているかについて記事を書いていきたいと思います。

 

まず、Cubase Pro 10になって、テンポ変更機能で変えられるBPMの上限が引き上げられました。

自分が以前使っていたPro 8ではBPM300が限界でしたが、Pro 10になってBPM360まで設定できるようになりました。

 

しかし、ここで自分はこう思いました。

 

 

もっとBPMを速くできないものか・・・

 

 

 

できます!

 

見方を変えることで、さらにBPMを上げることができます!

 

上限突破の方法

f:id:whitepanda924:20190713122647p:plain

そもそもBPMとは、Beats Per Minuteの略で、一般的には「1分間に何回4分音符を鳴らせるか」という意味で用いられています。("4分音符"という所がミソ)

ここで、4分音符が1拍ではなく、8分音符が1拍であるととらえてみましょう。

 

f:id:whitepanda924:20190713122711p:plain

すると、拍の密度が2倍になるので、DAW側で設定したテンポの2倍のBPMになったと見なすことができます。

 例:Cubaseのテンポトラック上で100→BPM200相当

ただ音符の数を倍にしただけなので、譜面的には見ればBPMは変わりませんが、聴覚的には今鳴っているのが4分音符か8分音符かは"何となく"しか判別できません。

そのことを利用して、譜面上で8分音符のものを4分音符と錯覚させ、聴覚上BPMが2倍になったように聞こえさせます。

 

"聴いた感じ"が大事!

 

同じように、16分音符を1拍ととらえると、BPMは4倍になります。

このようにして、Cubaseのテンポトラックで設定できるBPM値の上限を超えてBPMを上げていきます。

 

真の上限

では、このやり方でBPMはどこまで上げられるのでしょうか?


DTMにおいて、音符や楽器・テンポなどの各種データはMIDIデータとして記録されます。このとき、入力される音符(ノート)の位置や長さをコントロールする最小単位はtickと呼ばれ、4分音符一つ分の長さの480分の1に相当する長さを1tickと呼びます。(480tickで4分音符1つ分の長さ)

つまり、1tickごとにノートを打ち込み、1tickの長さが1拍であるとみなせば、理論上最高BPMを出せるはずです。

この時、4分音符1つ分を1拍としたときの480倍のBPMが出せるので、Cubase側でBPM1に設定した時点で計算上既にBPM480になっています。

先ほども書きましたが、CubaseBPM上限値は360なので

  360×480=172800

と、なんとBPM172800まで再現することができます!
(ちなみに、Pro 8では同じ方法でBPM144000までしか再現できませんでした。)

 

というわけで…

 

BPM172800を再現してみました!!!

 

 

BPM180から徐々に加速していき、最終的にBPM172800相当の速度に達します。

 

・・・最後の方はもはや鳴っているのがキックであったことを忘れさせるような、甲高い音になります(笑)

 

キックの音色の変化

さて、動画ではキックのみ打ち込んでいますが、BPMが上がるにつれてだんだん楽器のように一定の音程で音が鳴るようになります。

通常、キックのようなドラム系の楽器には、ピアノやギターなどとは違い基本的に音程を持ちません。(ティンパニのような音程を持つ楽器も一部ありますが…)

 

f:id:whitepanda924:20190714150943g:plain

また、時間と共に発音する周波数が変化します。(TR-909系のキックの場合、鳴り始めは高音中心で、徐々に低音側にシフトしていきます)

 

ではなぜ、音程を持つようになるのでしょうか?

 

f:id:whitepanda924:20190714133415p:plain

これはキックの波形を表したものですが、BPMが上がるにつれて波形同士が重なっていきます。

 

f:id:whitepanda924:20190714135050p:plain

今回の設定では、前のキックと次のキックのつなぎ目で音が完全に切り替わるようにしてあるので、理論上キックは1つしか鳴っていません。

※設定によっては、つなぎ目より先でも前のキックの波形が残り、次のキックと重ねることもできます。ただその場合、BPMが上がるにつれて重なるキックの数が多くなり、その分音が増幅されるので音割れが発生します。(実際に試したところ、BPM172800で1000以上のキックが鳴っていました(汗))

 

f:id:whitepanda924:20190714133621p:plain

さらにBPMを上げていきます。

 

f:id:whitepanda924:20190714135552p:plain

 

先ほど、"時間と共に周波数が変化する"と書きましたが、キックの重ねる間隔が短くなると、周波数がシフトする前に次のキックの音が鳴ることになり、その結果、一定の音程で音が鳴っているように聞こえます。

 

f:id:whitepanda924:20190715233830p:plain

さらに間隔が短くなると、キックだった音色の繰り返しパターン(図の赤線の間隔)を一周期として、この長さを1波長とする新しい音程の音が聞こえ始めます。そのため、音程がどんどん高くなっていきます。

このとき、繰り返しパターンよりも波長の長い音(周波数の低い音)は理論上鳴りません。

BPM172800の場合、このパターンは1秒間に2880回繰り返されるので、2880Hz以下の音は鳴らないはずです。

しかし、実際にCubase上で再生すると所々大きな低音が入っており、BPMが上がるにつれて頻繁に入るようになります。(BPM172800ではもはやほとんどノイズしか鳴っていない…)

かなり無茶な打ち込みをしているので、DAWや音源の内部処理が追い付いていないからかもしれませんが、少なくとも今の自分のDTM環境では再生がうまくいっていないと言えます。

 

おわりに

今回の検証で、Cubase Pro 10のテンポ変更機能と打ち込みの工夫でBPM172800まで再現可能であることがわかりました。

くだらない検証ですが、最後までお付き合いくださいましてありがとうございます!(汗)

こんな記事はあまり書かないと思いますが、また面白そうなネタが見つかったらそれも記事にしようと思います(笑)

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ

 

 

【自作曲解説】魅力的な対旋律で曲全体を華やかにする

どうも、中パンダです。

突然ですが、皆さんは対旋律(カウンターメロディ)というものをご存じでしょうか?

(知っとるわそんなもん!!という方、失礼しました…)

自分が対旋律というものを知らなかった頃、自分が作った曲とメジャーアーティストの曲を聴き比べて、「何か華やかさが足りない…」という悩みを抱えていました。

音楽理論を勉強していくうちに、どうやら曲の華やかさに影響を与える別の要素があるらしいことを知り、その一つが対旋律でした。

今回は、曲がより華やかに聞こえる対旋律の作り方について、自作曲を交えながら記事を書いていきたいと思います!

 

この記事で解説する曲は、去年深夜の2時間DTMで作ったこちらの曲です。

 

お題は「秋風をイメージした曲」です。

本当は歌詞をつけてボーカル曲にしたかったんですが、時間が無くてインスト曲のまま完成にしました。

 

この曲に関する他の記事↓ 

whitepanda924.hatenablog.com

 

 

対旋律(カウンターメロディ)とは?

ポップス音楽を聴いていると、ボーカルが歌うメロディとは別に、独立した何かメロディ的な楽器が鳴っている場合があります。

これが対旋律です。

別の言い方では「裏メロディ」「副旋律」などとも呼んだりします。

 

www.youtube.com

例えば、菅田将暉の「まちがいさがし」のサビですが、ボーカルと声を掛け合うようにストリングスのフレーズ(一部ピアノも)が鳴っています。

曲全体が華やかになるアレンジの一つに、伸ばし音でコードを鳴らすという手法がありますが、この曲ではコードではなくフレーズを演奏することで、曲全体に華やかさを演出しています。

 

www.youtube.com

ボーカル曲ではありませんが、分かりやすそうな別の例を…

この曲の場合、ピアノがメインとなるメロディ、バイオリン系が対旋律となります。

特にサビではメロディと対旋律が交互に奏で合い、楽器数が少ないにもかかわらず壮大で華やかな感じに聞こえます。

このように、対旋律を取り入れることでメロディだけでは埋められない音の空白部分が少なくなり、曲全体が華やかに聞こえるという効果があります。

 

今回紹介する自作曲を例にすると、20秒~57秒付近(以下、バース)ではエスニックフルート(以下、単にフルート)がメインのメロディ、ピアノが対旋律を奏でています、また、1分17秒以降(以下、ドロップ)ではパーカッションっぽい音色のシンセがメインのメロディ、フルートが対旋律を奏でています。

 

対旋律の作り方

注意点

対旋律を作るにあたって、注意すべき点が1つあります。それは、

 

メインのメロディより目立たない

 

ことです。

曲の主役はメロディで、対旋律はあくまでメロディの引き立てるいわゆる脇役です。

主役より脇役が目立ってしまうと、聞き手は主役のメロディがどれかわからずに混乱してしまい、場合によっては対旋律として作っていた方がメロディだと勘違いしてします。

また、せっかくメッセージ性のあるキャッチーなメロディを作っても、目立ちすぎる対旋律によって効果が薄れてしまいます。

押すべきものと引くべきものはきっちり分けたほうがいいですね!

 

というわけで、主役より目立たないようにしましょう!

具体的には、

  • 音量が大きくないか
  • 音程が派手に動きすぎていないか
  • フレーズが細かすぎないか

 を確認しながら作るといいかと思います。

 

リズムの工夫

メロディと対旋律は相反するようなリズムを取り入れると、音の空白が埋まり華やかに聞こえます。

具体的には、メロディが伸ばし音のときに対旋律は細かく刻んだフレーズを使い、メロディが細かく刻んでいるときは対旋律を伸ばし気味に作ります。

 

f:id:whitepanda924:20190705211922p:plain

フルートとピアノのリズム関係イメージ(バース)

ごちゃごちゃして見にくいかもしれません…(汗)

メロディとなるフルートと、対旋律となるピアノのトラックを重ねて表示しています。(上がフルート、下がピアノ)

今回のバースは4小節単位のブロックでループする構成にしていますが、ざっくり言うと最初3小節はフルートを伸ばし気味にしてピアノを刻み、4小節目ではピアノを伸ばしてフルートを刻む、というリズムにしています。

一部、メロディと対旋律で同じフレーズの刻み方をさせている部分がありますが、基本的には異なる刻み方を意識して作っています。

これによってパートの雰囲気を作り、奥行きを持たせています。

 

f:id:whitepanda924:20190705213753p:plain

 フルートとピアノの音程イメージ(ドロップ)

メロディとなるシンセと、対旋律となるフルートのトラックを重ねて表示しています。(上がフルート、下がシンセ)

ドロップではシンセが細かいフレーズを刻み、それと釣り合わせる形でフルートを伸ばし中心のフレーズにしています。

フルートはドロップに入ってから9小節目以降で入ってきますが、前半8小節がそのまま後半も繰り返される形になるので、聞き手が飽きないようにという意味も込めて対旋律を入れました。

 

音程の工夫

メロディと対旋律は反進行するようなフレーズを使うと華やかに聞こえます。

具体的には、メロディが上行(音程が上がっていく)するときに対旋律は下行(音程が下がっていく)させ、メロディが下行するときに対旋律は上行させます。

 

f:id:whitepanda924:20190705211906p:plain

フルートとピアノの音程イメージ(バース)

同音連打(同じ音を繰り返し鳴らす)も広い意味で反進行だととらえると、バースは上のイメージのようになります。

所々、メロディと対旋律が並行している部分もありますが、反進行を意識した対旋律フレーズにしました。

 

この作り方は、クラシック音楽における対位法の考え方を参考にしていますが、ポピュラー音楽でも十分戦力として使うことができます。

もっとも、何百年も前のクラシック音楽から形を変えて現代に伝わったものがポピュラー音楽なので、広い意味でクラシック音楽の延長線上にあると言えるかもしれません。

 

おわりに

今回は、曲が華やかに聞こえる対旋律の作り方について書きました。

ポップス音楽においては、メインメロディ・ベース・ドラム・コード楽器(ギター等)が基本構成になりますが、対旋律が加わることで音の空白がより少なくなります。

今まで対旋律とは無縁だった方は、一度自身の曲にもう1トラック追加して作ってみてはいかがでしょうか?(最初は難しいかもしれませんが、作っていくうちに徐々に慣れていきます)

 

今回紹介した自作曲について、実際のところもう少しリズムや進行にこだわりたかったですが、まだまだ作り込みが甘いところもあり、まだまだ修行が必要なようです(汗)

今後もいろんな曲を聴いて作って、少しずつレベルアップしていこうと思います!

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ