どうも、中パンダです。
以前書いた音楽理論を使った作曲の記事を読んでくださっている方が思ったより多く、自分としてはとても嬉しく思います!
そういうこともあって、今後も定期的にこの類の記事を書いていこうと思います!
今回も、曲の雰囲気に関わる音楽理論について、自作曲を例にしながら解説していきます!
今回解説するのは、2019年5月19日に「深夜の2時間DTM」で作った曲です。
この時に出されたお題は「怪しい取引現場をイメージした曲」です。
怪しい雰囲気って・・・何?
そう考えている間に時間はどんどん無くなっていきます。
今まで聞いてきた曲を思い出しつつ、「怪しい」という雰囲気をググりながらイメージを膨らませ、考えに考えた結果・・・
できた曲がこちらになります!(後で修正を入れています)
前に作ったやつ、フリジアンスケールを使ってさらに怪しくしてみた pic.twitter.com/0lUoGm6B0s
— 中パンダ (@whitepanda924) June 13, 2019
2021/7/18追記:Audiostock配信用のリメイクバージョンです。もし気に入っていただけましたら。こちらもぜひ聴いていただければと思います!
今回はこの曲について解説していきます。
スケールについて
今回の曲では、44秒~1分05秒はマイナースケール、それ以外はフリジアンスケールを使っています。(修正する前は全てマイナースケールでした)
フリジアンスケールは、ドリアンスケール等と同じく教会旋法から抽出されたスケールで、ポピュラー音楽ではあまり見られません。
しかし、フラメンコなどに見られるスケール(スパニッシュスケール)と似ているので、使い方によってはスペインっぽい雰囲気になります。
また、その特徴的な響きから、メタルなどの荒くれた雰囲気の曲でも比較的多くみられます。
C#フリジアンスケール
C#マイナースケール
C#マイナースケールとの違いは主音から2番目の音で、D#であればマイナー、Dであればフリジアンスケールと聞き手に認識されます。
この主音から2番目の音は非常に特徴的(後述)で、この音が入るだけで曲の雰囲気が大きく変わることがあります。(今回解説する曲も、修正する前と後で雰囲気がかなり違っているのがわかるかと思います)
楽器パートについて
最初~44秒と、1分05秒以降は同じ構成で、今回の記事ではこの部分ついて解説します。コード進行はC#m(3小節)→A(2拍)→B(2拍)の繰り返しです。
メロディ
ピアノフレーズはこんな感じで、最初の1小節をモチーフとして繰り返しフレーズの構成になっています。
所々でDの音を使い、フリジアンスケールっぽさを出しています。
Dの音を鳴らした時、C#mのルート(C#)と短9度(主音の1オクターブ上のさらに半音上)の関係になり、強烈な不協和音が生じます。そのため、全体的に癖の強い響きになります。
今回の曲では、この「癖の強さ」を「怪しい」と読み替えてスケールを使いました。
ちなみに、フレーズの一部でスケールには無いCの音を使っていますが、これは次に来る主音(C#)につなげる導音としての効果を増幅するために使っています。
導音は、各スケールにおける7番目の音で、主音に進みたがる性質があります。
導音と主音が半音違いの関係にあれば、導音→主音のメロディ進行の効果がより大きくなるので、今回はあえてCの音を使っています。(メロディックマイナーも参照)
和音
この部分ではフレーズを担当するのはピアノのみで、他はほとんどシンセの単音白玉(伸ばし音)です。
ここでの和音は、コードのルート音を中心に使い、3度の音は一切使っていません。
これは、あえてシンプルな編曲にすることで、和音ではなくスケールの響きに聞き手の意識を集中させるためです。これにより、怪しい雰囲気が際立つようにしています。
22秒以降はエレキギターと上物シンセが加わりますが、使っている和音はパワーコードのみで、ここでも3度の音は一切使っていません。
ギター打ち込みの様子
フリジアンっぽさをだすため、一部でDのパワーコードを使っています。
(ちなみに、音源はELECTRI6ITYを使っています)
カウンターメロディ
ピアノや白玉シンセとは別に、カウンターメロディのシンセを鳴らしています。
こちらはG#の音を中心に、G#フリジアンスケールを意識したフレーズにしています。
G#フリジアンスケール
スケールの構成音をよく見ると、C#マイナースケールと全く同じであることがわかります。
そのため、C#マイナースケールの曲調であっても、フリジアンの"怪しい"雰囲気を追加することができます。(修正前はこの方針で作ってました)
C#フリジアンスケールの曲調でも、Dの音以外はG#フリジアンスケールと構成音が同じなので、この点に注意すれば使うことができます。
今回作ったカウンターメロディは基本的にG#フリジアンスケールで作り、後半の一部だけDの音を使っています。(C#フリジアンの曲調に合わせるため)
そのため今回の場合は、C#フリジアンのメロディにG#フリジアンのカウンターメロディを乗せた、とも言えます。
まとめ
今回は、フリジアンスケールを使って怪しい雰囲気の曲を作ってみた、という一例を紹介しました。
作った直後はマイナースケールの曲調で作っていましたが、「フリジアンにした方が雰囲気でるのでは?」という発想になり、後日修正しました。
他にも「ここはもっとこうすればよかった」ということが多々あり、いくつか微修正を加えているところがあったりします。
やはり、2時間で1曲作りきるにはまだまだ工夫や修行が必要なようで、これからも頑張って作っていきたいと思います(汗)
こんな感じで、今回の記事はこのくらいにしておきたいと思います。
拙い記事ではありますが、気に入っていただけた方はお気に入り登録などをしていただければ、今後の励みになりますm(_ _)m
ではではノシ