中パンダイアリー

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【注意点あり】NASAの音素材を自分の楽曲に取り入れてみた

ご無沙汰しています。中パンダです。

前回の記事からまたしても日にちが開いてしまいました…(しかも1年近く)

なかなかブログの方に手が回っていない感じが凄くしますが、なるべく更新できるようにしたいです…(汗)

 

それはさておき、先日、自分の楽曲にとある音素材を取り入れようと思ったことがありました。

その音素材とはずばり、NASAの音素材す。

 

詳しい説明は後ほどしますが、作った曲がこちらになります!

少しわかりにくいかもしれませんが、火星探査車が録音した本物の火星の風音を使用しています。(低音でモコモコなってるやつです)

今回は、こちらの楽曲と使用したNASAの音素材、それを使用するにあたり注意すべき点について、記事を書いていきたいと思います!

 

 

NASAの音素材とは

NASAとはあのNASAです。

人類の英知の集積、世界の科学技術をリードするアメリカの宇宙開発機関、アメリカ航空宇宙局NASAのことです。

意外に思われるかもしれませんが、宇宙飛行士の通信やロケットのエンジン音、地球外天体の音など、宇宙開発に関する様々な音・音声なども公開しています。

www.nasa.gov

 

soundcloud.com

SoundCloudの方にもアップロードされています。

こちらでは音素材の他、宇宙開発に関する放送なども聞くことができます。

 

作った曲の解説

今回の曲では上記の音素材のうち、火星探査車「パーサヴィアランス」によって録音された火星の風音を使用しています。

Listen to Perseverance Rover’s SuperCam Records Wind on Mars by NASA in Perseverance Rover Sounds from Mars playlist online for free on SoundCloud

SoundCloudに飛びます。

 

低音ばっかりなので聴き取りにくいかもしれませんが、これが火星の風の音だそうです。

地球の風音と比べると、全体的に低音寄りにシフトしていてモコモコしているような印象です。

こちらの音素材から、荒涼とした物静かな雰囲気がイメージできたので、楽曲もそれに合わせて作曲しました。

 

余談ですが、パーサヴィアランスという探査機は2020年に打ち上げられて2021年に着陸したという割と最近(2022年執筆時点)の探査車なので、今後の探査の過程でもっといろいろな音が録音されることを期待しています。(公開されるかどうかはまた別問題ですが…)

それと、今後新しい探査車が火星の降り立った時は、もっといろいろな火星の音が録音されたりしないかなと期待しています。(笑)

 

楽曲の話に戻ります。

ピアノをメインにしたバラード曲で、ところどころストリングスのバッキングを入れています。

また、42秒付近以降ではノイズ系の効果音も取り入れて、物悲しさを演出しています。

メロディライン

C#マイナースケールの曲で、メロディはD#→Eの流れを多めに取り入れています。

D#→Eの流れは、平行調であるEメジャースケールにおける導音→主音の関係になるため、進行感の強いメロディになります。

メジャースケールっぽさがあるメロディのため、本来であれば明るいはずですが、マイナーコードの伴奏に載せることで逆に暗く感じるメロディになります。

コード進行は一部を除き全域でマイナーコードを使っています。

1分14秒付近のコード進行はG#7→C#mですが、マイナースケールで暗さを演出するための典型的なコード進行です。

 

そしてせっかくなので、Twitterに上げる動画の背景にもNASAの素材を使うことにしました。

こちらはNASA Image and Video Libraryから火星表面の写真をお借りしました。

https://images.nasa.gov/details-PIA05108

 

使用するにあたって注意すべき点

NASAガイドラインの確認

さて、NASAの素材を使用するにあたり、注意すべき点があります。

今回の記事にて紹介した素材はNASA著作権を持っているため、NASAが公開しているMedia Usage Guidelinesに従って利用しなければなりません

このガイドラインにはCommercial Purposes(営利目的)とNon-Commercial Use(非営利利用)それぞれについて記載があります。

本記事にて紹介した使用事例は、個人が(金銭的な目的は一切なく)あくまで趣味の範囲でTwitterに動画を投稿するだけなので、非営利利用ということになります。

ですので、非営利利用の項目を抜粋してみます。

 

Still Images, Audio Recordings, Video, and Related Computer Files for Non-Commercial Use

NASA content - images, audio, video, and computer files used in the rendition of 3-dimensional models, such as texture maps and polygon data in any format - generally are not subject to copyright in the United States. You may use this material for educational or informational purposes, including photo collections, textbooks, public exhibits, computer graphical simulations and Internet Web pages. This general permission extends to personal Web pages.

News outlets, schools, and text-book authors may use NASA content without needing explicit permission, subject to compliance with these guidelines. NASA content used in a factual manner that does not imply endorsement may be used without needing explicit permission. NASA should be acknowledged as the source of the material. NASA occasionally uses copyright-protected material of third parties with permission on its website. Those images will be marked identified as copyright protected with the name of the copyright holder. NASA's use does not convey any rights to others to use the same material. Those wishing to use copyright protected material of third parties must contact the copyright holder directly.

 

Media Usage Guidelinesより抜粋

 

上記のGoogle翻訳

NASAのコンテンツ(テクスチャマップや任意の形式のポリゴンデータなど、3次元モデルの表現に使用される画像、オーディオ、ビデオ、およびコンピュータファイル)は、通常、米国では著作権の対象ではありません。この資料は、写真コレクション、教科書、公開展示、コンピューターグラフィックシミュレーション、インターネットWebページなど、教育または情報提供の目的で使用できます。この一般的な許可は、個人のWebページにまで及びます。

報道機関、学校、教科書の著者は、これらのガイドラインに準拠することを条件として、明示的な許可を必要とせずにNASAのコンテンツを使用できます。承認を意味しない事実に基づいて使用されるNASAコンテンツは、明示的な許可を必要とせずに使用される場合があります。 NASAは資料の出所として認められるべきです。 NASAは、そのWebサイトで許可を得て、著作権で保護された第三者の資料を使用することがあります。これらの画像は、著作権所有者の名前で著作権保護されていると識別されてマークされます。 NASAの使用は、同じ素材を使用する権利を他者に伝えるものではありません。第三者著作権で保護された素材の使用を希望する場合は、著作権所有者に直接連絡する必要があります。

これによると、NASAの様々なコンテンツはその出典を明記しなければならない、とされています。

また、非営利利用の場合、教育目的、情報提供目的で利用可能である、とされています。

画像を動画のアイコンとして使用する場合は、火星の風景を視聴者の方々に提供するという点で「情報提供目的」に当たると考えられますが、楽曲中での音素材利用については言及されていません。

音素材を曲中で使うのは許されない」とも解釈できそうですが、そう判断するのはまだ早いです。

SoundCloudの説明欄にクリエイティブコモンズ表示があったので、今度はそれを確認してみます。

 

クリエイティブコモンズの確認

SoundCloudの方には、クリエイティブコモンズ表示という形でこれら2次利用への言及がされています。

その表示内容は、

  • 非営利利用のみ可
  • クレジット表記が必要(改変した時はそのことを明記しなければならない)

です。

内容は先ほどのNASAガイドラインと重複している部分がありますが、こちらでは作品をリミックス改変他作品のベースとすることも可能であると言及されています。

つまり、音素材を自分の楽曲で使用してもよいということです。

 

まとめ

これら2つのサイトの内容を合わせると、非営利利用でかつ著作者クレジット(+改変した旨)を明記すれば、音素材を使用することは可能ということになります。

著作者クレジットについては、動画の最後に使用した素材のタイトル・URL・改変した旨を記すことにしました。

(今更ですが、もしかしたら著作者名(今回の場合はNASA)と制作年の表示も必要かもしれません)

 

こうして、NASAの素材を自分の作品中に取り入れるというチャレンジング(?)なことができました。

ただ、著作者の意思が全て反映されているとは言い切れないため、著作権所有者から何かしら指摘が来る可能性はあります。

もし、NASAから作品の削除依頼があった場合は削除します。

 

終わりに

今回は、NASAの音素材を使った楽曲の紹介と、素材使用に当たって注意すべき点について記事を書きました。

普段音素材を使う時は、権利的なごたごたを避けるために著作権フリーの音源などを使っていたのですが、もっといろいろな要素を曲に取り入れたいという気持ちが強くなってきたので、思い切ってこの素材を使ってみることにしました。

権利の問題はいろいろと面倒ごとが多いですが、ルールをきっちり守れば、他人の意思を尊重しつつ、自分の楽曲制作の幅をもっと広げることができると思います。

そして、「どこまでやってOKで、どこからがNGか?」をはっきりさせることができます。

自分もまだまだ勉強中ではありますが、ルールを守るのが面倒で制作の幅を狭めてしまったり、逆に意図せず他人に迷惑をかけてしまったりする人が少しでも少なくなるように、この記事が何かの参考になれば幸いです。

 

それでは、今回はこの辺にしておきます。

 

ではではノシ